この欄で何度かご紹介しているように、「片倉城跡公園」(東京都八王子市)は、四季折々の花が楽しめる公園です。
(上と下:公園の入口の景)
(下:水面を覆う「コウホネ」の花)
片倉城跡公園は、その名が示すように、室町時代に築かれたという山城の跡地。雑木林に囲まれた丘陵地帯で、山野草の種類も豊富です。
(下:キツネノカミソリ)
最も有名なのは、3月末の「カタクリ」の群落ですが、4月末の「ヤマブキソウ」の群落も、最近、知られるようになってきました。
それらに比べると、知名度は低いのですが、今日の「キツネノカミソリ」の群落も、見応えがあります。(知名度の順番については、訪れる人の数から推測した筆者の感想です)
もっとも多く見られる場所は、「奥の沢」と呼ばれる地域。
春のカタクリやヤマブキソウの群落も、この谷間が名所となっています。
「キツネノカミソリ」の名の由来は、細長い葉が「カミソリ」のようで、あたかも山のキツネが使う「カミソリ」のようだからというが一般的ですが、他にも諸説あります。
この時期は、「キツネノカミソリ」に混じって、「ウバユリ」や「ヒヨドリバナ」もたくさん咲いていました。(下:ウバユリ)
「ウバユリ」の名は、花が盛りになる頃、葉が無くなることから、歯無しのお婆さんに喩えられたとか。ちょっと可哀想な名前です。
(下:ヒヨドリバナ)
(下:キツネノカミソリとヒヨドリバナの競演)
「ヒヨドリバナ」は、鳥のヒヨドリが鳴く頃に開花するので、この名が付いたとか。
この公園には湧き水もあり、沢の流れも潤沢なため、湿原の植物もたくさん見られます。
(下:湿地の植物として、よく知られる「ガマ」)
また、「コバギボウシ」や「シュロソウ」も、湿地の山野草として知られています。
下の写真は「コバギボウシ」
漢字で書くと「小葉擬宝珠」です。
(下:シュロソウ)
山野草は、小さくて質素な花が多いので、うっかりすると見落としてしまいそうです。
でも、注意深く目を凝らすと、
ここにも、あそこにも・・・
※ 「カタクリ」と「ヤマブキソウ」については、それぞれ、2015/3/31と
2016/4/20の本欄を、ご参照いただければ幸いです。