東京都八王子市の高尾山麓に、この庭園はあります。
その骨格となっているのは、高尾梅郷の一画に建つ「小林病院」。
現在の「駒木野病院」の前身です。
小林病院が開設されたのは、昭和2年。住居兼医院であった建物は、平屋部分の母屋が大正年間の建築、二階屋の部分は昭和初期に増築されたもの。
その土地と建物が、平成21年に、八王子市に寄贈され、建物の外観を残しながら、内部を改修し、周囲に日本庭園を整備して、平成24年4月に、「高尾駒野木庭園」として、一般公開されることになりました。
ここでの見どころは、様々な日本庭園様式が、一堂に会していること。
敷地の南側に広がるのは、池を巡りながら、移り変わる景色を楽しむ「池泉回遊式庭園」
建物の東側には、石と白砂とわずかな植栽で構成された「枯山水庭園」
その隣には、茶室に至るまでに心身を清める「露地」の庭
手水鉢に趣向を凝らした「水琴窟」からは、心地良い響きが・・・
また、細部に目を凝らせば、「龍門瀑」の手法で組まれた滝石組や「三尊石」の石組み
手水鉢や敷石、飛石の組み方、様式の異なる石燈籠、役木が、要所要所に配されています。
あたかも造園の見本市のようで、日本庭園の様式を学びたい方に、お薦め。
もちろん、建物も大正、昭和の日本家屋の魅力を存分に伝えています。
近くには「小仏関所跡」があります。