20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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遠い記憶の匂い

2008年06月04日 | Weblog
 買い物のために歩く近所の公園のなかに、江戸時代に建てられた藁葺き屋根の民家が保存されています。なかに入って部屋をのぞくこともできます。
(今日は雨戸が閉まっていましたが)
 区内最古の「大石家」の住宅だそうです。関東大震災、戦災、水害、すべての災害を生き延びた建物だとか。
 縁側には、三月になると古いお雛様が飾られます。そして五月には鯉のぼりがたちます。狭い庭には、ナスやトマトやインゲンなどが葉を繁らせています。
 この住宅、実は江戸時代の平均的な大きさの家だそうです。
 でも、江戸の真ん中にあった長屋と比べると、(深川にある江戸資料館では、その時代の庶民の長屋での暮らしが体感できます)ずっと、広く開放的です。

 買い物用のキャリーバッグをころがしながら、その前を通りすぎるとき、私はいつも鼻をくんくんさせます。
 藁葺き屋根に煙を燻らせ、藁にいる虫などを駆除する目的のため、いつも囲炉裏に火をおこしているのだそうです。そのいぶしたような匂いが公園の小道まで漂ってくるのです。
 湿ったような、黴くさいような、薫製のような匂い。
 この匂いは、たしか、遠い昔、どこかで嗅いだことのある匂いです。
 どこでしょうか。わかりません。
  
 今日は結婚記念日。
 夕方、予約を入れた銀座のお店で夫と落ち合い、お食事の予定です。
コメント (8)
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