暮らしの差し色

慢性腎臓病の夫と二人、静かな生活です

父の机~遺品を捨てる

2017-07-23 22:38:09 | 日記
父は2006年に亡くなった。

父の遺品をあれこれいじりまわすのは母に悪い気がして、ほとんど触らないようにしていた。

2013年に母が亡くなった。

その後、実家は誰も住まなかったし、処分することが母の遺言だった。

家の中を空っぽにすることが売却には必要だったので、遠方から姉も来て、私たちは何度も泊まり込んで遺品を片づけた。

実家の処分はどれほど大変なことかは、テレビや書籍で多く取り上げられているので、ご存じのかたも多いと思う。

本当に大変だった。

私たちも年取っている。

若くてタフなら乗り越えられることも、家1軒すべての荷物を点検していくのは、どれほど荷が重いことであるのか、体験してみなければお分かりにはならないと思う。


家具のうち、父の書斎にある机は、まだ使えそうだった。

椅子ももらおうと思ったが、運送の方が来てくれる前によく見てみたら、持っていくほどの椅子ではなかったし、長く使用していたようで古びてもいた。

机と机下に収める引き出しのワゴン、それに緩衝剤代わりに分厚い来客用の座布団を数枚一緒に運んでもらった。


私の家で使っていた机は、中学の時に父が買ってくれた座机で、引き出しが少ししかなく、表の化粧板も数か所割れはがれていた。

この座机を廃棄して、父の机を使うことにした。


運んできて、もう3年経った。


父は糖尿病だったので、インスリン注射をしていた。



薬剤は小さな冷蔵庫に保管していたが、医薬品関係のものを机の下に置かれた木製の引き出しのワゴンにしまっていたらしく、この引き出しを開けると強烈な薬臭さが噴出してくる。

もらってきた当初は、それほど気にならなかったのに、「無香空間」で、脱臭しようとしてもまったく歯が立たない。

ワゴンの引き出しの中に入れているものがどんどん臭いを吸収して、増幅しているようでもある。

ここに入れた便箋、封筒に手紙を書いて送ったら、先方に臭いが届いてしまいそうだ。

配送料をかけて、もらってきたものの、申し訳ないが、処分をしたいと思うようになってきた。

それは、この数日急にその気持ちが強くなってきた。

父の体を支えた医薬品が入っていたのだろうが、やはりこれは使い続けるのは無理だ。

ワゴンだけ、手離そうと思う。

机も、ワゴンも、表面の化粧面のベニヤ板は、ボロボロにはがれて、あれこれ工夫して使っていたのだが、それは使用に耐えるとしても、臭いは無理がある。

使えないような壊れ方をしているわけではないだけに、申し訳ない。

どうしても使えません、お父上殿。


コメント (2)
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