ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

アイルランド: St Patrick's Day 迫る

2016-03-14 16:56:48 | 日記
2016年3月14日(Mon.) 今週の木曜日は17日、St Patrick's Day を伝えるニュースが目だっています。当ブログでも12日にはデンマークが伝える関連情報をUPしましたが、その中に「リバーダンス」なる催しがあるとも記述しています。

ご存知の方も少なくないかも知れません。「 Riverdance 」はアイリッシュ・ダンス( Irish Dance )を代表するものの一つと言っていいものでしょう。






アイリッシュ・ダンスも多義に亘るようですが、その内のステップ・ダンスなどが有名なのではないでしょうか。 St Patrick's Day でも、民族衣装や、シャムロック、緑色の衣服等を身に着けて、このステップ・ダンスのパレードも披露されることでしょう。

一方で、リバーダンスは、1994年に開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストで紹介されたダンスであり、好評を得たので、その後、各地で公演等を続けてきているというものだそうです。YouTube などでも映像が公開されていますので、百聞は一見に如かず・・・です。

独特のステップ、足さばき、そして、伝統の文化も感じ取ることができるのではないでしょうか。









  




もう一つ、「庭の千草」と言う歌を耳にされたことがある方は多いでしょう。原作名は「 The Last Rose of Summer 」で、アイルランドの詩人トーマス・ムーア( Thomas Moore )が1805年に作詞したものです。

Tis the last rose of summer,
Left blooming alone;
All her lovely companions
Are faded and gone;
No flower of her kindred,
No rosebud is nigh,
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh.

I'll not leave thee, thou lone one!
To pine on the stem;
Since the lovely are sleeping,
Go, sleep thou with them.
Thus kindly I scatter,
Thy leaves o'er the bed,
Where thy mates of the garden
Lie scentless and dead.

So soon may I follow,
When friendships decay,
And from Love's shining circle
The gems drop away.
When true hearts lie withered,
And fond ones are flown,
Oh! who would inhabit
This bleak world alone?

日本語に訳された歌詞と原文とは、結構異なるように感じますが、”仲間に先立たれて独り生き残った私も、間もなく、続きます・・・。 こんな世界に独りで生きられましょうか・・・”

詩が書かれたのが1805年と言うことから、1691年のリムリック条約、アイルランドにおける圧政、ワイルドギース、農民・カトリック系の人々の貧困生活、移民(難民に近い?)、アメリカ独立戦争、フランス革命、・・・と続く中で、1801年にはイギリス・アイルランド連合王国がスタート、その流れの一部に身を置いていたことになります。

また、あい前後して、アイルランドの総人口800万人ほどあったものが、その後の大飢饉等の事情も合わせて、”半減”していったとも伝えられていますので、想像を絶する世界(アイルランド)であったと思われます。

そうしたことも考えると、「 The Last Rose of Summer 」の意味するところ・想いも伝わってくる気がします。 この楽曲に関しても YouTube で見ることができます。 旋律も美しく・憂いに満ちたものに私には聞こえます。映像の中で、年配の女性が、この曲を聴きながらハンカチで涙を拭いているシーンがありましたが、世界に7千万人ぐらいいる同胞や、祖国を離れることになった先祖たちを思いやった涙なのではないか・・・と想像してしまいました。(下の映像は、オランダでのものです。)

 https://www.youtube.com/watch?v=3nc55QYn970



すばらしい伝統・文化は護り続けたいものですし、宗教に関しては互に寛容性の深い考えを持ちたいものです。一方で、時の為政者は、過去の歴史等に学びながら、より良き社会・世界を構築するためにも、公正・妥当な判断で”仕事”に臨んでいただきたいと思います。


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