映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『キャッチ22』

2016年02月19日 | Weblog
よい

マイク・ニコルズ 監督
アラン・アーキン、マーティン・バルサム、リチャード・ベンジャミン、アート・ガーファンクル、アンソニー・パーキンス、ジョン・ヴォイト、オーソン・ウェルズ 出演

そこには勝者と敗者、日和見主義者と生存者がいた。出撃命令を待つ彼らは、神経質になり、恐怖に駆られ、しばしば下品な行動をとり、時には感傷的になるのであった。そしてほとんど全員が常軌を逸していた。





おそらくテレビで1~2回、パッケージでちゃんと観るのは初めてだと思う。原作は大昔に読んでいる。

戦争を題材として、時間軸の違う話をすこしずつ見せていくという点で、『スローターハウス5』と共通点が多い。本作は1970年公開、『スローターハウス5』は1975年公開である。

本作はさらに戦争だけでなく社会(会社、MM興業)の矛盾・狂気とシーンの反復が特徴的である。

原作では「僕、『ライフ』のカメラマンだから」と女の子ばかり写真を撮る人がほんとに『ライフ』のカメラマンだったという話があったと思うが、ほとんどカットされている。
それと、名簿上は飛行機に乗っているはずの医師が地上から自分が乗っているはずの飛行機が墜落するところはもっとねちっこく、わかりやすく、おもしろかったはずだが、それもかなり短くなっている。

「再洗礼派」のチャプレンの呼び名がどんどん変わるのは、もちろんギャグである。

爆撃機が飛び立つシーンや爆撃のシーンなど、かなり豪華である。

以下ネタバレ




おそらく、いちど観ただけでは十分に楽しめないかもしれない。
たとえば、映画の最初とラストの直前は同じシーンが反復されている。
オーアとヨッサリアンが正しく状況を認識していて、ヨッサリアンは狂気になりがちで、オーアだけがどうやって脱出するのかの対処をしている。本人が「練習をしている」と言っているのだから間違いない。