中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第932話 今こそ新たな企業風土を作る

2020年06月24日 | コンサルティング

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「緊急事態宣言以降はテレワークを導入したため、朝礼はオンラインでやっています。これまで朝礼では毎日理念を唱和していたんです。それを止めてしまうのは残念な気がしたので、朝礼は続けることにしたんです。朝礼に賛否があるのはわかっていますが、うちの会社は朝礼によって一致団結している気がするし、それが良い風土につながっていると思うからです」

これは先日、ある中小企業の経営者から聞いた言葉です。この会社では10年、毎日理念を唱和してきたことによって、「品質を最優先する」という企業風土が醸成されつつあるとのことです。

「風土」とは、人の価値観の形成などに影響を及ぼす精神的な環境であり、「組織風土」とは従業員に暗黙のうちに共有される特有の考え方や行動パターンです。

弊社ではこれまでに様々な企業の研修を担当させていただいてきましたが、それぞれの企業には、ある意味外部の者だからこそ認識できる様々な独自の風土があるように感じています。

弊社が行う研修ではグループ演習に取り組んでいただくことが頻繁にありますが、受講者の取り組み方にも「風土」が顕著に表れるように感じています。たとえばメンバーが自由に積極的に発言したり、間違えた発言をしても周囲が明るく受け止める雰囲気の会社がある一方で、発言する順番を最初に決めたり、発言に慎重なメンバーが多い会社もあります。

こうした傾向は、同じ会社であればどの階層の研修を担当させていただいても共通して感じられるものですし、複数年にわたって研修を担当させていただいても、毎年のように「この会社らしい雰囲気だな」と感じることも少なくありません。また、同じ業界であってもA社とB社では随分と異なると感じることもあります。

それでは、このような企業風土はどのようにして形成されていくものなのでしょうか。

様々な要因があると思いますが、一般的に企業風土は外部から新たな刺激が入りにくい環境下で、長期間にわたり一緒に働いているメンバーの中で少しずつ形成されていくものです。

そして、企業風土が顕著に表れるのは問題に直面した時です。起きてしまった問題に対して前向きにとらえ対応する組織がある一方で、原因追及に終始し後ろ向きにしかとらえられず、対応も後手に回ってしまう組織もあります。こうなると単に「風土」と片付けられずに、最悪は組織の在り方や存在そのものにもかかわることになってきます。

さて、冒頭で紹介した企業の社長ですが、社員に同じ方向を向いて欲しい、そしてテレワークによって対面が減ってしまったとしても、企業風土を維持したいと考えた結果、社員全員がオンラインで企業理念の唱和を続けているとのことです。 

新型コロナウイルスは、企業にとって予期していなかった大きな問題です。しかしこのような外部環境の大変化の時こそ、企業の底力が問われるとともに、新たな企業風土を作る良いチャンスであるとも言えます。

これまで企業風土が作られる場面は社員が対面していることが前提でしたが、オンラインであっても工夫次第で風土の醸成はできるものです。

コロナ禍をきっかけにテレワークの導入が進んでいる今、新しい時代の企業風土をどう作っていくか考えてみませんか。

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