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第1,183話 精神のリソースを使用しすぎると、自我消耗する

2023年09月20日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

私たちは仕事や作業を丁寧に行ったつもりであっても、ある一定の割合でミスをしてしまうことがあります。その理由は、集中力の低下であったり疲労であるなどいろいろありますが、一番の理由として「自我消耗」を起こしてしまっていることが考えられます。

自我消耗(Ego depletion)とは、認知バイアスの一つであり「精神のリソースは有限であり、使用しすぎるとスタミナ切れを起こしてしまう」というものです。要するに、「何かについ夢中になっていたりすると、他のことに気がまわらなくなる」という脳の癖のようなものと言えそうです。

先日、東大薬学部の池谷裕二教授がTBSの番組「情報7days」の中で、この自我消耗のことを話題にしていました。旅行サイトの詐欺が増加しているとの紹介があったのですが、旅行の予約サイトに実際に予約するという行為は非日常のことであるため、それに頭が一杯になっていて、ちょっとしたことを見落としてしまうことが原因で、詐欺に引っかかってしまうようなことがあるのだそうです。

教授によれば、セルフコントロールをしたり意志を働かせたりするような力は使用すると徐々に減っていってしまい、その力は段々と弱くなっていってしまうとのことです。そのため、自我消耗に陥りやすいのは午前よりも午後が多く、さらには午後の方が疲労がたまってきているため、冷静に対応しにくいのだそうです。

そのように考えると、仕事のみならず娯楽であったとしても、休憩も取らずに無我夢中でやり続けてしまうとスタミナ切れを起こしてしまい、判断を誤ってしまったりミスを連発してしまったりするなど、マイナスな状態を引き起こしてしまう可能性が高いということが分かります。特に初めての経験をする場合などでは、非日常の行為に臨むことから普段以上の注意を心がける結果、自我消耗もより激しくなると考えられます。

それでは自我消耗に陥らないようにするためには、どうすればよいのでしょうか。それには様々な考え方があるかと思いますが、まずは精神のリソースを温存するためにしっかりと睡眠時間を確保すること、そして1日の中で定期的に休憩を取って積極的にリフレッシュすることです。また、特に初めての経験をする際には事前に十分な余裕をもって準備をし、取り組むことが必要だと考えます。

しかしながら私は最も大切なことは、私たちの精神的リソースには限界があり、使用しすぎるとスタミナ切れを起こしてしまうということをきちんと認識して、それを踏まえて物事に臨むという心構えを常に持っておくということではないかと思っているのです。

最近、ミスをしたり判断を誤ってしまうことが増えたと感じている人は、まずは自身の精神的なリソースの量を想像し、もしかして自分は自我消耗を起こしてしまっていないだろうかと気にしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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