中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

「最年少で最優秀」は要注意!

2017年03月26日 | コンサルティング

「新入社員のときに売上目標200パーセントを達成。翌年、最年少で全国最優秀セールス表彰を受賞。その後、売上金額最高記録を5年連続更新する。28歳で最年少営業部長に昇進し・・・」これは、何人かの営業研修講師の自己紹介文から抜き出した言葉を合成したものです。

営業研修の講師は、こうした華やかな経歴の持ち主が多いようです。研修会社のホームページなどで10人の研修講師の経歴や自己紹介を調べたところ、8人が「最年少」、「最優秀」、「最短記録」、「表彰」、「全国トップ」など、自分の卓越した営業成績について触れていました。

もちろん、名選手だからこそ名コーチになれるのでしょう。プロスポーツ(野球や相撲など)を見てもそれはうなづける話です。
ところが、セールス(営業)とスポーツでは大きく異なる点が1つあります。
「ルールの変更」です。
スポーツも時代によってルールが変えられることがあります。特に柔道や水泳など、日本が得意とするオリンピック種目では「日本いじめ?」とも思われるようなルールの変更があります(あくまでも個人の見解です)。

一方、セールスは明文化されたルールはなく、社会情勢や慣習によって仕事のやり方が決まります。

たとえば、「セールスは訪問件数だ!」という信念を持つ講師がいます。しかし、現代のセールス活動は単に「お客と会って商品の説明をする」仕事ではなくなっています。顧客の抱える固有の問題に対処する適切な提案ができなければ、商談になりません。提案作りには時間がかかりますから、訪問件数という「量」よりも、1回の面談の「質」を高める必要があります。

また、「新規開拓は、とにかく会ってもらえるまでしつこく食い下がれ!」という講師もいますが考えものです。あまりしつこいと「悪質なセールス」という悪名をネットを通じて流布されてしまいます。

50代、60代の営業研修講師の中には、こうした「自分はこうやって成功したのだから、この通りにやれば良い」という人が(いまだに)たくさんいます。
もしも「営業のルール」という明文化されたものがあるとすれば、この20年程で大きく書き変えられたと考えるべきです。古いルールの元で「最優秀セールス表彰を何度も受賞」したような講師は要注意です。

では、それよりも若い講師(50歳以下)はどうかというと、その経歴をみると営業職を10年以上続けた人はほとんどいません。従って、後進を育てた経験が無い人が多いようです。

私が考える優秀な営業研修の講師は次のとおりです。
(1)過去の営業成績は「中の上」程度であればOK、(2)複数の部下や後輩を育てて独り立ちさせたことがある、(3)社内の他部署とも連携してトラブルに対処した経験を持つ
・・・以上に加えて、経済情勢や業界に関する最新の知識と自分なりの意見を持っていることです。

いかがでしょうか。一見、たくさんいそうな感じがするかもしれませんが、とんでもない。
「全国最優秀営業マン」だった講師の10分の1もいないことは確かです。
もしそのような方を見つけたら当社にご連絡ください。研修講師として採用したいと思います。

人材育成のホームページ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。