中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

値引きしますか、しませんか

2017年03月22日 | コンサルティング

お客様からの「値引き依頼」にどう対応するのか。これは、いつの時代も非常に悩ましい問題です。

自社の商品やサービスの価値を十分に理解いただけてはいても、予算がネックになって導入が危ぶまれるような局面では、何とかお客様の値引き要望に応えて導入に結び付けたいと思うのが、営業担当者の心理です。しかし、値引きをすれば当然利益は減りますから、その「つけ」は自分に返ってきます。

このように、どこまで値引きに応じるのかは、本当に判断が難しいものです。

一方、多くの場合、値引きを依頼されるにお客様の側にもそれ相応の理由があります。たとえば、大量発注によるボリュームディスカウントの依頼や、以前からの長い付き合いを引き合いに、値引きを求めてくる方もいらっしゃいます。

また、過去にお付き合いはないけれど、今後の大量発注を示唆しての値引き依頼もあります。

これに対して、営業担当者は関連する情報を集め総合的に判断して、値引きに応じたり応じなかったりするわけですが、お客様の中には値下げを要求するのはルーティンのように当たり前のことのように考えている方もいらっしゃいます。予算のあるなしに関わらず営業努力をしてほしいとおっしゃるのです。

そういう方は、「他社はいくらくらいで出してきているから、これでは上司に話ができない」などと、いろいろな理由を挙げられますから、営業担当者として依頼に応じるのかお断りをするのかは本当に悩ましいところだと思います。

こうしたお客様の多くが、「来年も頼む予定だから、そこのところも考慮してね」と言いますが、そういう方に限って実際には次年度の依頼はないことが多いと聞きますので、営業担当者にとって、この判断は本当に難しく悩ましいものだろうと感じます。

もちろん、業種業態によっていろいろな状況があると思いますので、値引きの依頼自体、一概にいい悪いと言えるものではないと思いますが、私自身の経験として、商談の始めから値引きを依頼してくるお客様は、結果的にあまり長いお付き合いにはならないケースが多いと感じています。

さて、冒頭の写真ですが、先日我が家で住宅設備関係の会社にある見積もりを依頼したところ、この見積もりが郵送されてきました。

こちらでは値引きの依頼をしていないのですが、ご丁寧にはじめから値引きがされています。40万円弱の設備に対して、調整値引きと称した値引きがされていますが、その額200円と堂々と表記されています。値引き率は約0.05%ですが、この額を見て皆さんはどのように感じられるでしょうか?

我が家ではこの見積書を見た瞬間、思わず笑いが出てしまい、その後「200円ぽっきり値引きしてもらってもね・・・・」と、見積書はさっさと閉じられてしまいました。この会社の商品を買う気満々で現場を見てもらって見積もりを依頼したのでしたが、わずかな額の値引きを前面に押し出す姿勢に買う気がすっかり失せてしまい、この会社に依頼することを見送りました。

購入する側としては、僅かな額であっても値引きをしてもらうこと自体はもちろん嬉しいことですが、それを強調しすぎて「お客さんにサービスしているんですよ」という姿勢を押しつけているように思われてしまっては、逆効果になってしまうと思うのです。

値引きを依頼されたお客様の期待に応えられずにお客様を逃すこともありますが、反対に値引きを依頼されてもいないのに値引きをした結果、顧客を逃してしまうこともあるわけで、値引きを巡る問題は本当に難しい、悩ましいと思わされた出来事でした。 

人材育成のホームページ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。