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第1,152話 「楽しい」と感じられ成果も上がる指導法とは

2023年02月01日 | 研修

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

本日(2月1日)の朝日新聞の朝刊はスポーツ面と教育面の2面で、暴力による運動部活動やスポーツ指導を取り上げていて、行き過ぎた指導が今も続いているとのことです。私自身も自宅の近隣の公園を散歩しているときに、野球の試合を終えた少年を前に監督と思しき人が試合中のプレーを問い詰めている場面に出くわしたことが何度もあります。そのような場面に遭遇すると、私自身が問い詰められているわけでもないのに居たたまれないような気持になり、足早にその場を立ち去っています。

なぜスポーツの世界で行き過ぎた指導が起きてしまうのでしょうか。原因は様々あるのだと思いますが、その関連で1月28日の朝日新聞では、「脱スパルタ」指導で春の選抜高校野球大会に12年ぶりに出場する東北高校のことが取り上げられていました。

かつてプロ野球の巨人軍でプレーした佐藤洋監督が丸刈りをやめる、アップ練習のときは部員の好きな曲をスピーカーで流す、練習メニューは各ポジションのリーダーらが自ら決める、ジャンピングスローを解禁した、練習風景をインスタグラムに投稿するなど、「楽しい野球」を大事にした指導を行っているそうです。

このように具体的に指導を変更したのは、自身の「怒られるのが当たり前」の指導を受けてきて「楽しいわけがなかった」経験を踏まえているのだそうです。厳しい指導に耐え抜くのではなく、野球を始めたころの楽しさを取り戻すということがねらいとのことです。

「怒られるのが当たり前」のような指導はスポーツに限ったことではありません。こうしたネガティブな指導による恐怖感によって取り組ませるのではなく、「楽しい」と感じさえる指導は、とても大切なことであり、同時に合理的であるとも思うのです。同じ時間でも楽しいと感じているときの方が有意義に感じられるわけですし、その反対もしかりです。

実際に「楽しい」と感じているときには、幸福物質であるドーパミンが出ていると言われています。ドーパミンは意欲や動機・学習に重要な役割を担っていて、仕事や勉強、スポーツを楽しんでやることによりドーパミンが分泌され、モチベーションがアップしてさらに意欲的に取組もうとするのです。

私は、仕事においても同様のことが言えると考えています。たとえば、上司が部下の指導する際に檄を飛ばしても部下がなかなか伸びない、成長しないとしたら、一度自身の指導を振り返ってみることが必要ではないかということです。

以前、ある企業で上司が部下の営業パーソンに一人ずつ顧客の訪問件数を発表させ、訪問件数を少ない人を叱咤する場面に居合わせたことがあります。その後、叱咤された営業パーソンは顧客への訪問件数こそ増えたものの営業成績は上がることはなく、やがてはやる気を失い結局は退職してしまったそうですが、これでは本末転倒です。

もちろん、「楽しい」と感じさせることだけを指導の目的にしてしまっては、スポーツでも仕事でも結果に結びつけることはなかなか期待できないわけです。しかし、少なくとも「楽しくない、面白くない、逃げたい」という気持ちからは、決して良い成果は生まれないということなのではないでしょうか。

このことは、弊社が提供している研修やセミナー、コンサルティングにおいても同様です。今後も「楽しい」と感じられ成果も上がる指導法を目指してしていきたいと考えています。

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