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営業対経理、どうすれば対立を緩和できるのか

2016年09月25日 | コンサルティング

「なんでこの領収書が落ちないんですか!」
ある会社の営業部の若手S君が、経理部のベテランKさんの席にやって来てこういいました。以下、S君とKさんのやり取りです。

K「Sさんも知ってのとおり、社内規定での接待には事前申請が必要です。」
S「でも今回は特例ということで、うちの課長も判子を押してくれましたよ。」
K「営業の判断はどうあれ、経費処理については経理に責任があります。」
S「わかりました!私の上司から経理部に話しを通してもらうことにします。」
K「どうぞお好きに。あ、それからSさん、先月の出張旅費清算がまだですね。今日中に出してください。」
S「それはムリですよ。この後すぐに客先に行かなくちゃならないのに。」
K「今日中にデータを入力しないと、明日の役員会で使う月次決算の数字が出せません。」
S「大した金額じゃないから全社の数字に影響なんか出ないでしょう。」
K「それを認めていたら何人も同じことをするようになります。月次決算の仕組みが機能しなくなってしまいます。」
S「そんな、大げさだなあ・・・」

このような「営業VS経理」はどんなに小さな会社でも必ずあるはずです。
営業は「自分たちが朝から晩まで汗水たらして稼いでいるのに、なぜちょっとした融通さえ利かせてくれないのだ」とぼやきます。一方経理は「営業はいつもいい加減な処理ばかり押し付けてくる。お金を扱うのがどれほど大変かわかっていない」と不満を抱きます。

お互いの立場上、対立するのはある程度は仕方がないとしても、もう少し穏便に仕事が進むやり方はないものでしょうか。

多くのコンサルタントや研修講師がこれに対して「コミュニケーションの不足が原因」と断定し「話し合ってお互いの仕事を知ることで解決可能」と言っています。

確かにそのとおりですが「それができれば苦労はしない」というのが現実です。
もちろん、お互いの仕事を知ることは大変良いことです。

営業と経理間で少数のメンバーを短期間異動させて双方の苦労を知ることで対立はなくなると断言する人もいます。しかし、それを実行することは難しいでしょう。短期間とはいえ異動は双方の仕事の品質を下げてしまうからです。もっともそれ以前に、お互いに「嫌だ!」と言うでしょうけれど。

では、どうしたら対立を緩和できるのでしょうか。。
合同で飲み会をやるのも手です。双方が講師になって勉強会を始めるのも良いでしょう。

私がサラリーマン時代に見聞した最も効果的な方法は、管理職の交代でした。
とはいえ、いきなり営業課長が経理課長になるとか、その逆の人事を行なったわけではありません。

経理の主任から営業の係長になり、5年経って経理へ戻ってから課長になった人がいます。そのせいか、営業と経理のやり取りは大変スムーズになり、残業も無駄な処理も激減しました 。

ただし、その課長の苦労たるや並大抵のものではなかったことを付記しておきます。

(人材育成社)


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