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2017年は「生産性」の年

2017年01月08日 | コンサルティング

新年明けましておめでとうございます。いきなりで恐縮ですが、2017年のキーワードは「生産性」です。

安倍首相は1月5日の経済3団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)の新年祝賀会で「(今年は)働き方改革、断行の年にする」と語りました。

振り返れば昨年は長時間労働、過労死、働き方変革、ノー残業デー、一斉消灯などが大きな話題になりました。実際、あらゆるマスメディアは、いかに日本の労働者が(異常な)長時間労働を強いられているかを連日のように報じていました。

昨年12月19日の日経新聞(経済教室)で黒田祥子・早稲田大学教授は、「日本の労働生産性はアメリカの6割」であり「過剰なおもてなしが長時間労働につながっている」と述べています。実際に日本の労働生産性は、OECD加盟国34か国中21位と低い位置にあります。黒田先生は記事を「働き方改革で最終的に追求すべきは生産性の向上だ」と締めくくっています。

私は「全くそのとおり!」と思うと同時に、「・・・で、どうやれば生産性は上がるんですか?」とツッコミを入れてしまいました。おそらく、大学の先生をはじめとしたほとんどの知識人は「それは、それぞれの会社や職場で考えることです!」とおっしゃるでしょう。

確かに会社や職種によって事情が異なるので、具体的にどうこう言えないのでしょう。それはわかっていますが、私はさらにツッコミを入れたくなります。「それじゃあ、一流大学に入りたければもっと勉強しろとか、痩せたければ一所懸命ダイエットしろとか言うのと同じですね。」

また、それ以前にもっと大きな問題があります。それは、ほとんどの人(知識人を除く)が労働生産性の定義を知らないということです。おそらく経営者や管理職の多くが、労働生産性の計算式を説明できないでしょう。ちなみに、(付加価値)労働生産性=付加価値÷労働投入量、です。この付加価値というものの正確な定義や計算式は、財務省のホームページ(※)で確認していただくとして、次のように簡単に覚えておくことをお勧めします。

労働生産性=粗利÷(従業員数×労働時間) (製造業以外)

労働生産性=(売上高-材料費-買入部品費-外注工賃)÷(従業員数×労働時間) (製造業)

製造業はちょっと複雑そうに見えますが、いずれも従業員が単位時間当たりに生み出す粗利(売上総利益)またはそれに近いものです。

たとえば、商品を100万円で仕入れてきて200万円で売れば、付加価値(粗利)は100万円です。「200万円で売れたということは、会社は100万円分の新たな価値(付加価値)を生み出したんだ!」ということです。そのとき、売るのに5人がかりで、それぞれ20時間使ったとすれば、労働生産性は1万円/時です。

したがって、生産性を上げるには「少ない人数で、安く仕入れて、たくさん売る」という当たり前の原則を実現すれば良いことがわかります。

しかし、それを現実するのはそう簡単ではありません。商品をたくさん売って粗利が増えても、労働時間が増加してしまっては意味がありません。より少ない時間で多くの成果を上げる「具体的な策」が必要です。ですから、新聞やテレビから流れてくる「生産性を上げよ!」という単なる「号令」はもう聞き流してください。

2017年、当社は「具体的な策」を持って事業を展開してまいります。ご期待ください!

(人材育成社)

労働生産性及び全要素生産性とは

 


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