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雛めぐりサミット さいたま市岩槻区

2013年02月25日 16時39分14秒 | 祭・催し


3月が近づくと、「人形のまち」として日本一名高い岩槻は、雛人形一色になる。

13年2月23日から3月17日まで恒例の「まちかど雛めぐり」が始まった。その10回目を記念して、24日(日)には市民会館いわつきで「第1回全国雛めぐりサミット」が開かれた。

日本は、世界に冠たる人形王国なのだそうだ。その中で「人形王国埼玉県」の雛人形・節句人形の出荷額は、全国で50%超のシェアを誇り、日本一なのに、バブル崩壊以降、ざっと三分の一に落ち込んだ。岩槻も例にもれない。

まちかど雛めぐりが始まったのも、さいたま市への合併で「岩槻」の名が忘れられないようにとの願いが込められていた。このサミットも同じ狙いである。

雛めぐりで、「まちおこし」を推進しようとしている全国の市や町から10団体が参加、それぞれの取り組み方や体験を発表した。

2月2日から3月3日までの、「せともののまち」愛知県瀬戸市の「瀬戸のお雛めぐり」は、今年で12回目。伝統的な雛より、お手のものの陶磁器やガラスで作った独創的なお雛さまを、“街角ギャラリー”38軒などに展示している。

メイン会場の「瀬戸蔵」には、ピラミッド型の「ひなミッド」(高さ4m11段)に、約1千体の創作雛が並び、瀬戸蔵のらせん階段を使って、さまざまな角度から楽しめる。「ひなミッド」は、地元の方言を模して「まるっと(まるごと)ひな壇かざり」の別名も持つ。

ディズニーが「オズ誕生」の物語を映画化、3月8日全世界で同時公開されるのを記念して、「オズ陶雛人形」を「ひなミッド」に特別展示した。

38店舗では、「お雛ランチやスイーツ」の特別メニューがある。週末には、「陶磁器のお雛さまつくり」を体験できる場所もある。

このようなアイデアのおかげで昨年は9万2千人が訪れた。

伝統的な紀州漆器の技法を使って作られた「紀州雛」を、全国にPRしようと始めた和歌山県海南市の「紀州海南ひなめぐり」(今年で3回目)は、海南市が日用家庭用品の国内最大の産地で8割のシェアを占めることから、その製品や技術を、雛人形を媒体にして全国PRすることも狙っている。

日用家庭用品のスポンジやタワシ、ホウキを利用した変わり雛もあって見ていて楽しい。

もちろん、伝統的な雛をみせる元城下町や紅花の産地もある。

鍋島35万7千石の城下町佐賀市に、春を告げるのが佐賀城下ひなまつり。鍋島家の博物館「徴古館」では侯爵鍋島家の歴代夫人所用の雛人形・雛道具による大ひな壇飾りが展示される。宮家と華族に縁のある鍋島家なので、豪華さと格式の高さに目を見張る。

佐賀市歴史民俗館や旧家では、佐賀に残る伝統工芸、手織り佐賀錦や鍋島小紋をまとったお雛さまも見られる。

新潟県最北の城下町村上市では、約80軒の「町屋」が、家々に受け継がれてきた雛人形を見せる「町屋の人形さま巡り」が約1か月開かれる。村上町屋商人(あきんど)会の主催で、今年で14回目。

「おらっこの人形さま」を見てもらうというわけで、「人形」ではなく、「人形さま」と敬称つきで呼ぶのがミソ。町屋の家の中のたたずまいも含め、五月人形なども一緒に4000体余の人形が見られる。

山形県の中央部にある河北町は、紅花の生産で知られ、全国で唯一「紅花資料館」がある所。高価で取り引きされた紅花の財力をバックに、谷地地区では、天正時代(1573~91年)から、「節句市」「ひな市」が開かれていた。

河北町が「ひなまつり発祥の地」を自認するゆえんである。上方からの時代雛も多数残っていて、紅花資料館では1月中旬から、旧家の5か所でも4月2~3日の「谷地ひなまつり」で、時代雛が特別公開される。

お雛さまは、見に来るのではなく、「会いに来る」という言葉が使われているという。「人形さま」同様、長い雛人形文化の一端をしのばせる。

このほか、奈良県高取町の「町屋の雛めぐり」、宮城県塩竃市の「塩竃deひなめぐり」、群馬県みなかみ町の「たくみの里 つるし雛・ひなめぐり」、埼玉県の「飯能ひな飾り展」の代表が参加、しんがりは「人形のまち岩槻まちかど雛めぐり」が務めた。

最後に、①雛めぐり・ひな祭りネットワークの創造②住む人も訪れる人も癒しの空間を提案できるまちづくり③人形文化による「まちおこし」の推進――を目指すという「岩槻宣言」が採択された。

作って売るだけでなく、多くの人が訪れたくなるような人形文化を、各地の経験を基にどう定着させていくかが、今後の岩槻の課題になるだろう。






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