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子どもの塾や教育費が大変

2014年07月09日 16時40分13秒 | 県全般
子どもの塾や教育費が大変

県の総務局統計課がつくっているホームページ「統計からみた埼玉県のすがた」(統計からみた埼玉県の地位)は、国のあらゆる統計資料から、色々な項目の中で埼玉県が全国で数字的にどのような地位を占めているかを明らかにしていて、眺めていると非常に面白い。

人口動態などもさりながら、国の総務省統計局がつくる「家計調査年表」に基づくものは、項目別の都道府県県庁所在地の数字もあって、その数字から県民性までもうかがわれる。

県民性についてはいろいろ書かれているが、主観的なものが多い中で、客観的なものとしては一番信用が置けそうな気がする。

14(平成26)年版の「学校」の部を開いていると、「中学生の塾等の費用は全国第1位」というコラムが目に入った。

「家計調査年報」によると、12年のさいたま市の中学校補習教育費は、1世帯当たり年29,980円で、全国の都道府県庁所在市の中で第1位。「中学校補習教育費」は、塾の月謝や家庭教師への月謝・謝礼、補習のための通信添削の費用(教材費を含む)など、中学校の補習のための費用。全国の平均支出額が年間13253円であるのに対し、さいたま市では2倍以上。

幼児から高校・予備校までの世代を含む「補習教育費」全体でも、さいたま市の1世帯当たりの支出額は年間70,29円で、徳島市の76105円に次いで全国第2位。

というのである。

「さいたま市 もう『ダサイたま』とは呼ばせない!」(09年 マイクロマガジン社)でも、「南浦和(駅前)は“塾銀座”と呼ばれている」と題する2ページの記事の中に、「駅前には東口、西口とも学習塾が軒を並べ、全国でも有数の学習塾密集地帯、誰が呼んだか“塾銀座”」と書いてあり、驚いたことがある。

中学受験の御三家は、日能研、四谷大塚、SAPIX。この御三家が勢揃いしている南浦和駅はJRの京浜東北線と武蔵野線が交差するので、交通が便利。仕事帰りに塾帰りの小学生と電車の列に並ぶことが多い。学習塾、予備校が約30あるという新聞報道を見たこともある。

高校、大学受験の進学塾、予備校はもちろん、ピアノ、バレエ、習字、そろばんなど習い事教室も県南部には多い。

サラリーマンがほとんどの、埼玉県に寝に帰るだけの”東京都民“にとって、子供への教育投資が子供に残す最大の遺産なのだ。

旧制浦和高校以来の文教都市の伝統の中で、浦和高校、浦和一女などと公立の名門校もある。京浜東北線に乗れば、私立の名門開成中・高校もある。

SAPIXの入り口の合格者校のリストを見てみても、小学校から塾通いをしないと合格できないところばかりだ。親の高学歴やこの子にもという思いが重なってこのような数字が出てくるのだろう。

「教育熱心」はまぎれもなく埼玉県民の県民性の一つと言えそうだ。

ついでながら、14年の同じ家計調査によると、他の都道府県庁所在市と比べて、さいたま市の勤労者世帯の教養娯楽費は東京都区部についで2位である。収入が比較的に多いので、教育費や教養娯楽費に回せる余裕があるということなのだろうか。