ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

パパは働き者

2014年07月08日 17時28分44秒 | 県全般
パパは働き者

毎日、“民族移動”のような規模で東京都へ長時間往復を繰り返す埼玉県の男性は、どのような生活を送っているのだろうか。

10年の国勢調査では、県の昼夜間人口比率は全国一低く、県外に通勤・通学する人口が90万人を越すことが判っている。

まず思い浮かぶのが、通勤の混雑「痛勤」である。最近は急激に進む高齢化で通勤族が減りつつあり、一昔前のような殺人的な混雑は姿を消してきたようだ。

それでも例えばJR埼京線上りは、“最強線”のはずが、混雑のため“最恐線”、“最凶線”、“痴漢線”とさえ呼ばれ、JRの中で始めて女性専用車両が導入された。

赤羽駅で京浜東北線の乗客が乗り換えてくる上り板橋―池袋間の混雑率は、200%近く、混雑ぶりは首都圏で5指に入っている。

埼京線武蔵浦和駅の朝のラッシュの7時から8時ごろまでの混雑は、次々に高層マンションが建設されているので、緩和の兆しは見えない。

総務省の11年の「社会生活基本調査」に基づき、県がまとめた埼玉の男性の生活実態によると、「仕事と通勤に全国一長い時間を使いながら、家庭では育児にも熱心」という結果が出た。新聞報道で見るこの結果には、埼玉都民の実態が投影されている。

この基本調査は、5年に1度、全国で実施しているもので、全国で約20万人、県内では約6400人が対象になった。

15歳以上の男性有業者で見ると、「通勤・通学時間」と「仕事」を足した時間は8時間6分で、全国1位。「通勤時間」は1時間9分で、47都道府県で神奈川県についで2位。育児の時間は10分と全国一だった。

通勤時間は千葉県と東京都で上位4位を占めており、首都圏の長さが目立った。

通勤時間が長くなると、睡眠や休息時間にしわ寄せが来る。睡眠時間は東京都と同じ7時間24分で44位。休養など自由時間は3時間9分で45位だった。

6歳未満の子供のいる夫婦世帯の生活時間を見ると、通勤と仕事の合計時間が9時間26分と全国2位と長いので、睡眠時間は7時間と全国2位の短さ。

こんなに忙しい毎日を送っているのに、男性の育児時間は1日当たり1時間3分と全国3位、大都市圏1位で、「イクメン県」と言える。涙ぐましい努力と言えよう。

県版で、朝日は「埼玉男子よく働きよく育児」、「仕事・通勤・子育て全国最長」「睡眠・休養は最下位クラス」、読売は「本県のパパ働き者」、「通勤・仕事も育児時間も全国一」と見出しをつけた。

見出しとは、本文を読まなくても分かるようにつけるもので、細かい数字が苦手な人は、この見出しだけで埼玉都民の生活実態がよく分かる。