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埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

竜巻にご用心

2014年07月21日 16時41分19秒 | 県全般
竜巻にご用心

竜巻なんて、米国のロッキー山脈東側の米中西部から南部を襲う災害とタカをくくっていたら、13年から埼玉県越谷市についで熊谷市、14年にはさいたま市でも大規模なのが発生するようになり、にわかに身近なものになってきた。

歴史的には大水害こそあったものの、台風や地震もそれほど深刻な被害をもたらしたことはない。比較的大災害には縁が薄いと見られてきた埼玉県の重大なリスクになろうとしている。

関東平野北部の埼玉、群馬、茨城県は、西側に冷たい西風をもたらす秩父山地、南側に暖気を送り込む東京湾がある。その地形がロッキー山脈と南側にメキシコ湾がある米中西部と似ていると専門家は指摘している。(毎日)

熊谷市や館林市など関東北部に定着しようとしている猛暑が、積乱雲を発達させ、竜巻などの突風を生むのではないかとも言われる。

竜巻は寒気の下に暖気が入り込み、大気が不安定になると発生しやすくなるからである。

13年9月2日午後2時過ぎ、越谷市など県東南部を襲った竜巻では、県の調べで越谷市では負傷75人、建物被害は住宅全壊27、大規模半壊57を含む1585棟に及んだ。

台風の接近に伴い、同月16日未明の午前1時半過ぎ、熊谷市など県北西部を襲った竜巻では、熊谷市で負傷6人、住宅全壊10、半壊21を含む1211棟が建物被害を受けた。

気象庁によると、竜巻は夏から秋、7~11月に全体の約7割が発生、台風シーズンの9月に最も多いという。

さいたま市の場合は、発生が14年4月4日午後3時20分ごろで、住宅など約20棟の被害で済んだが、季節はずれで、「想定外」だったのが住民を驚かせた。

英語で「トルネード」と呼ばれる。気象庁などによると、米国では世界の竜巻の約8割、年間800~1000個前後が発生する。

竜巻が頻発するカンザス、オクラホマ、ミズーリ、アーカンソー州などは「トルネード・アレー(竜巻街道)」と呼ばれるほどだ。

これに比べ、日本の陸上での竜巻は年間20~25個程度。

1991~2013年の都道府県別発生確認数は、多いほうから沖縄(42)、北海道(38)、高知(29)、宮崎(23)、鹿児島(22)の順で、埼玉は14で8番目。海なし県では全国最多という。近県では千葉(11)、茨城(10)、栃木(7)、群馬(4)となっている。

異常気象で来年も夏の猛暑はおさまりそうにない。埼玉が「日本の竜巻街道」と呼ばれることのないように祈るほかない。