御嶽(みたけ)神社は蔵王権現を祀った神社。総本社は吉野金峰山寺の蔵王権現堂であります。 また、ヤマトタケルの伝説が残る神社で、古くから御嶽権現と呼ばれ信仰されてきました。
苔生した階段の上の平場に社殿が建つ。
現在の社殿は昭和 45年(1970)に再建されたものだそうです。
社殿には、風化し傷みの激しい木製の仏像・神像 18体が保存されているそうです。 傷みが激しく年代は不確かですが、平安時代のものも含まれているのではないかと云われています。蔵王権現かと思われる右足を上げた木像も2体含まれているそうです。 明治 15年(1882)奉納の祭礼の様子が描かれた絵馬や『金峰山』・『蔵王権現』の扁額などが残され、狼の木像も有るとのことです。
この神社の起源は不詳でありますが、古代にさかのぼる歴史を持つことは確かであります。
鳥居杉について
新編相模風土記稿に「杉二株・鳥居杉と称す」と記されています。 2本が根元でつながり、真っ直ぐに高く聳える姿は圧巻であります。
古くから地域の人々に親しまれ、崇められてきました。 杉は長寿で大木になるので、昔から神社仏閣に多く植えられてきたそうです。 一説によれば、高く聳えて人間の目印になるような大樹は、神にとっても目印になるとも云われています。 また、私たち日本人にとって古木は単なる木材ではなく「長年生き続ける精霊」として古代から大切にしてきました。 日本武命(ヤマトタケル)を祭神とする、この神社の杉も同様であります。
昭和 59年(1984)には『神奈川の名木百選』に選ばれ、高さといい樹形の優雅さといい、我がふるさと南足柄の誇る文化財であります。
樹高 約 50m 胸高周囲 約 7.3~7.5m 根回り周囲 約 17m 樹齢 推定 500年
お神水(みたらし)の由来について
このおみたらしは権現さんの御神水と呼ばれ、昔から霊水として近隣にも聞こえていたそうです。 その由来は、昔 弘法大師が、この三竹山を通りかかった時、部落に水が無くて困っていることを知り、法力でこのみたらしの水みちを開いて下されたという伝説や、また日本武命が東征の折、野火の難をのがれ、ここで休息され村人に世話になった礼として、持っていた剣で水を湧かせた。それがこのみたらしの起こりだとも伝えられています。
おみたらしの水 は眼病、その他 諸病に効くと今でも深く信仰されています。 また、関東大震災でも枯れず水量は減ってしまいましたが、現在でも湧き続けています。
御嶽神社の社叢林(しゃそうりん)について
御嶽神社 社叢林は箱根外輪山の明神ヶ岳東斜面の標高 160~200mに位置しています。
周辺には杉植林が広がっていますが、神社 社叢林はスダジイ、タブノキ、シラカシ、ウラジロガシ、ムクロジ、ビランジュ(ばくちの木)などを主体とした常緑広葉樹林で構成されており、面積的にまとまっているだけでなく、胸高直径 1.5~2.0mに達するスダジイ の老大木も生育しています。
御嶽神社は箱根外輪山溶岩の安山岩上に堆積した関東ローム層(立川層)上に位置しており、ローム層堆積の浅深の差はありますが、樹高 19~32mに達する常緑広葉樹を良く保存しています。
樹木の保存状態が良好で平成6年(1994)2月 15日、神奈川県指定天然記念物に指定されています。
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