聖徳太子の御創業、1300年前 行基菩薩が開山した洛西にある西芳寺は、府内に17ある世界文化遺産のひとつであります。 苔に覆われた庭園が有名になり、一般的には『苔寺』の名で知られています。
ここを拝観するには「桂離宮」や「修学院離宮」と同様に、往復ハガキで申し込む必要があります。 ここが、行けばいつでも拝観できる他の寺社と違う所です。 また、拝観料も他の寺社より高いですが、その価値は十分にあります。 他の寺社にはない2ページにわたる珍しい御朱印です。
庭園は上下二段構えであり、上段は枯山水式、下段は池泉廻遊式庭園で、中央の池は心字形になり、池の南岸には千少庵建立の湘南亭(国指定重要文化財)があります。
お寺から日時の指定された返信葉書を持ち、30分前の12時半に衆妙門へ向かい境内に入り受付を済ませました。 ここの参拝は午前に1回、午後1回の1日2回のみで人数も限られているので、焦らずゆったりと参拝できるのが嬉しいです。
受付で「般若心経」の手本と写経用の用紙を頂き、待合室で待機。 全員そろって本堂に案内され、ご住職の説明後、太鼓の音に合わせて3回読経し写経を開始しました。 写経とは、仏教の経典を書き写すこと、またはその書き写された経典のことをいうようです。お寺だけでなく自宅でも一般の人が実践できる仏道修行のひとつだそうです。 まだ、印刷技術がなかった頃、中国などの大事な経典を日本で学びたかった僧侶たちが、経典の写しを更に書き写して各自の寺に持ち帰りました。 経典を写すこと、それ自体が修行であり、僧侶たちにとって写経は大事な意味をもつものであったとのことです。
現代では、祈願ばかりでなく、ストレス解消や癒し、心を落ち着けるための手段として写経を行う人が増えているようです。 その中の1人で、心の浄化をして来ました。
正座し、呼吸を整え、きれいに書く必要も、はやく書く必要もありません。 ただ心をこめて、丁寧に。 と言うことでしたが、40分くらい掛かってしまい、さすが正座は崩しました。
完成した写経用紙は仏壇前に供えてから、庭園に向かいました。 苔の最も美しい時期は梅雨期頃だそうです。 特に朝露に光る時間帯は素晴らしいとのことです。
苔寺の苔は意図して作られたものではなく、もともと枯山水であったものが、江戸の頃、何度か洪水に遭い、江戸末期に、この様な苔庭になっていたと考えられているようです。
庭中一面の苔は120種余りにも及び、特にホソバオキナゴケが美しい。 こんもりとした群落を見ていると、空から山々を見下ろしているような壮大な気分になります。
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