ヤマビルとは、陸地に生息する吸血性ヒルの代表種。
日本では本州、四国、九州に幅広く分布し、関東では神奈川県の丹沢などで多くの被害が報告されています。
登山マップを眺め、まだ登ったことのない山を探していたら《シダンゴ山(標高:758m)》が目に付き、挑戦してみることにした。
この先の宮地山(標高:512m)でヤマビルの 襲撃を受け、ヤマレコに登録した登山コースを急遽変更し、シダンゴ山から下山することとした。
山頂で 25分 休憩し、9時55分 下山開始。 シダンゴ山から相模湾を望む。
山頂には石祠と山名由来の石碑がありました。
《シダンゴ(ウ)は古来、「震旦郷」と書いたようです。 震旦とは中国の旧異称の事だそうです。 一説に欽明天皇の代、仏教を寄(やどりき)の地に伝える仙人があり 大寺の地、この山上に居住し仏教を宣揚したという。 当時、箱根明神岳や丹沢の尊佛山(塔ヶ岳)にも同様の仙人がおり、盛んに往来した形跡があったという。 この仙人をシダゴンと呼んだことから地名が起こったといわれ、シダゴンとは梵語で羅漢(仏教の修行を積み悟りに達した人)を意味し、シダゴン転じてシダンゴウ(震旦郷)というようになり、山名を『シダンゴ山』と呼ぶようになったとのことです。》
足首周りのヤマビルは全て取り除き、靴下やトレッキングシューズの中には 塩を振りまいた。
ヤマビルについて対応が良く判らなかったので下山。
林道と登山道の合流地点を 10時 20分、通過。
今回のコースは登りも下りも、ほとんど樹林帯の中であり、強い日差しに晒されること無く助かった。
シダンゴ山東尾根コースの猪鹿防止柵を 10時半、通過。
寄地区の中津川沿いは、トイレ の整備が良く行き届いていた。有難いことです。
10時 42分、寄バス停 に到着。
神奈川県花の立派なヤマユリが咲き、無事下山を迎えてくれた。
ヤマビルについて
体の長さ2~3Cmの円柱形で背面に多くのいぼ状の突起があり、腹面は扁平、黄褐色の地肌の背面に黒い3本の縦縞がある。各体節は1~5体環からなっている。 皮膚の感覚器でヒトや獣類の呼気を感じ取り、シャクトリムシ状の前進運動で移動する。 前方吸盤の口には3個のアゴがあり、各々が約 90個の歯を持ち、このアゴで傷をつけ人や哺乳類の血を吸う。
ヒルの唾腺にはヒルジンという血液凝固を妨げる物質と血管の拡張作用をするヒスタミン様の物質が含まれていて吸血と同時に、これらの液を注入しながら吸血を行う。 従って吸血された動物の出血は中々止血しないという特徴があります。
ヤマビルの吸血は1回に体重の 10~20倍もの血液を1回で吸血し、1年に2~3回吸血すると一年中生活ができるそうです。
咬まれた時の痛みは感じないものの、ヒルジンの影響で出血が止まりにくくなります。 不安になってしまいますが、死に至るようなことはないので安心しましょう。 ホッと 時間が経ってから腫れや痒みが出てきますが、痒みをできるだけ軽くするためにはヒルジンを良く洗い流すことが重要です。