Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「スパニッシュ・アパートメント」セドリック・クラピッシュ

2015-09-09 02:46:11 | cinema
スパニッシュ・アパートメント [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


ということで、クラピッシュの
グザヴィエ君三部作の一つ目を観ました。

若い映画という印象で、ぐだぐだなところを描きつつも
テンポはさわやかで少しも重くないのがよいです。

ときどき分割スクリーンになって、
これはマンガ的なんじゃないかとか
windows的なマルチスクリーンの導入かしらと思ったり。
ノリが軽いから古くからある手法でも新しさを感じさせるのかな。

『PARIS(パリ)』でも夢の中でCD丸出しの街を歩くシーンがあったりして
そういういろいろな手法にチャレンジしている感がありますね。

内容としては、青年が大人になる通過儀礼的なものなんだけど、
イニシエーションというより最終的に成熟を拒否するというか
普通の大人の世界から離れて自分の望む道を見つけるという話です。

その過程に、外国に行って異文化に触れることが組み込まれているわけですが、
ただスペインに行ったというだけでなくて、
転がり込んだ先がイギリス、ドイツ、イタリア、デンマークなどなど
様々な国から来た学生が共同生活をしているところなので、
実にオープンでコスモポリタン的な空間なのよね。

そこでの経験がグザヴィエ君を目覚めさせ鍛えるわけです。

日本ではなかなかこういう機会がない?
というかそういうことを積極的にやる人はやるけど
そうでなくてもなんとかなってきたところがあるので、
こういう映画でそういう開眼を知るのもまた面白い経験よね。

てか若いころにこの映画に出会いたかったかも。

****

面白さということでは圧倒的に『PARIS(パリ)』のほうだと思うけど
もちろんこの作品がつまらないわけでは全然ない。

あのバルセロナの空港での
階段とエスカレーターがある景色はどこかで観たことがあるんだけどな~
何の映画だったかな~ゴダールかな??

グザヴィエ君の恋人役オドレイ・トトゥは実に可愛いのである。
また、グザヴィエ君と予想通り懇意になる人妻役ジュディット・ゴドレーシュも
いけてない美女という微妙な役柄をよく表現していたと思う。

スペイン語といってもカスティーリャとかカタルーニャとか多言語なんだな
そこで勉強できるグザヴィエ君は実はなかなかの優等生と見た。


@自宅DVD
コメント
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