YES
『Union』1991『Talk』1994『Open Your Eyes』1997『The Ladder』1999『Magnification』2001
まとめて聴いたのでまとめてレビュー
いずれも聴き込むほどには至ってないが、印象レベルでのお話です。
manimani的順位は
Talk<Open Your Eyes<Union<The Ladder<Magnification
でしたね。
Unionを除くと、発表年順によくなっているという感じですな。
********
Talkは90125YESのメンバーによるおそらく最後のアルバム。トレヴァー・ラヴィン色はやはり強く、ものすごいポップな中にもプログレ的ひねりが満載で、メドレー形式ながら大曲もある。が、なんだか上滑りな印象を覚える。インスト部分も丁々発止というよりは、予定調和的であまりスリルがない。特に期待された大曲(「危機」の続編とか喧伝されている)Endress Dreamが残念ながら水っぽい。退屈なリフとボーカルパートが交互に繰り返され、無駄に長い感じがしてしまう。そしてなによりも全編通じたいわゆるポップバンド的音作りがどうにもつまらない。ドンパンいうドラムサウンドに分厚く個性のないコーラスワーク、平板なギターとキーボードの音、残念。
話題はジャケットワークがピーター・マックス(Yellow submarine!)であることかな。
Open Your Eyesは、もともとクリス・スクワイアのソロアルバムとして構想されたネタから作られたということらしく、曲もかっこよいリフ路線のストレートな印象だ。メンバーはアンダーソン、スクワイア、ハウ、ホワイトにビリー・シャーウッドを加えた、「ほぼ最盛期メンバー」なのだが。音作りはやはりポップ路線。スクワイアががんばって売れる線を目指したという感じ。かろうじてハウのギターがときおり平穏を破ってこぼれ出る。この中では「Man in the Moon」が気に入った。なんだか暗めの変わった曲だ。
Unionが意外とよかった。出た当時一通りきいているのだが。
これは当時の90125組とABWH(アンダーソン+ブラフォード+ウェイクマン+ハウ)組が曲を持ち寄って一枚のアルバムにしたもの。昔は90125組の曲が好きだったが(いまでもSaving my Heartは好きだが)聴きなおしてみるとABWH組に秀作がある。決して流れに媚を売らないポップというものが存在するのだ~と改めて思う。
しかしちょいとシンセの音がむき出しの時代色な感じもする>ウェイクマンさん。この辺はキーボードに明るく職人的プロデュース力のあるトレヴァー君のほうがセンスがあったかもね。
The Ladder。Ladderってはしごだよなあ。1曲目Home World冒頭のがらがら~って言う音ははしごを下ろす音に聴こえてしまう。このアルバムはなかなかサウンドもよく、曲調も初期(1st、2nd)を思わせる素朴なものがある。聴き込めば好きになるかも。レゲエあり、ラーガロック(!)ありで、全体としては「躁状態のYES」という印象だ。
しかしやっぱりキーボードの線が弱い感じがする。ウェイクマンと比較してしまうのはYESファンの性だと思うが、ウェイクマンのあの押しの強さはやっぱりいろんな意味ですごいのだなあ。。
メンバーはA,S,H,Wにビリー・シャーウッド(g,key)とイゴール・コロシェフ(key)。おそらくはシャーウッドのギターと思われる音もやや個性に欠ける。
ボーナスで8インチCDがついている。収録曲はI've seen all good peopleとAnd you and I。結局これらのスタンダードが必殺技なのかなあ・・・
(しかし、8インチCDはパソコンでは聴けず=iPodにとりこめず;;)
Magnification
mag・ni・fi・ca・tion
1a拡大; 誇張.
b拡大図.
2 [具体的には] 【光】 (レンズなどの)倍率
ということで、これは結構好きですね~コロシェフがセクハラ事件を起こし脱退というか解雇され(苦笑)シャーウッドも脱退し、例によってキーボード不在問題に直面したYESは、なんとオーケストラとの共演という形で問題解決を図る。個性のないキーボードを入れるよりも考えようによっては面白い。バンドのリフをなぞるようなオケではなくて、結構綿密にオーケストレーションがされているスコアは、予想を上回って音楽に貢献している。そしてなにより、久々にジョン・アンダーソンが本気で曲作りに取り組んでいるらしいことが気持ちよく。ずっと彼は雇われボーカリストのような感じだったので。
さすがにオケの音の録音+ミックスはちょっとふくよかさに欠け物足りない気もするが、オケの響きを生かそうとバンド側のサウンドやコーラスが生音に近い処理をされているのがまたよい。この生身感がYESらしさの原点だと思うわけです。全員が個性的なプレイをし、生身の楽器と声が丁々発止、これがYESです。
そうそう、2001年のオケとのライブを収録したDVD「シンフォニック・ライブ」も観た。『Magnification』からの曲に加え、大作「錯乱の扉」「儀式」「危機」を含む往年の名曲をオケをバックに繰り広げるライブ。Long Distance Run Aroundなど、さすがにシンプルな曲にオケがかぶるのはちょっと無理な気もしたし、ハウ入りのOwner of lonely heartなどはなんだかな~という気もしないでもないですが、全体としては感動的なライブです。
このなかでジョンは、「オケとやるなら70年代のクレイジーな曲もやるべきだと思った」ということをいっていて、それで「錯乱の扉」「儀式」とくるわけで、本人もこれらの曲はクレイジーだと思っていたんだなあと感心(笑)
特筆すべきは、オケの女子率の高さ!(笑)特に弦・木管・打。目の保養になる~~だけでなく、そのオケがそのクレイジーな曲をノリノリで弾く姿がまたほほえましい。し、クラシック音楽教育の水準の高さはすごいことを改めて感じる。変拍子ノリノリで超絶フレーズを弾き/吹きまくる彼らこそすごいミュージシャンだ。
そいからサポートのキーボーディスト、トム・ブリズリンがいい仕事している。ほぼリック・ウェイクマンな存在感を再現している。グッジョブ!
というわけでした。
最近20年ぶりくらいにYES漬けになっているワタシです。
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『Union』1991『Talk』1994『Open Your Eyes』1997『The Ladder』1999『Magnification』2001
まとめて聴いたのでまとめてレビュー
いずれも聴き込むほどには至ってないが、印象レベルでのお話です。
manimani的順位は
Talk<Open Your Eyes<Union<The Ladder<Magnification
でしたね。
Unionを除くと、発表年順によくなっているという感じですな。
********
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Talkは90125YESのメンバーによるおそらく最後のアルバム。トレヴァー・ラヴィン色はやはり強く、ものすごいポップな中にもプログレ的ひねりが満載で、メドレー形式ながら大曲もある。が、なんだか上滑りな印象を覚える。インスト部分も丁々発止というよりは、予定調和的であまりスリルがない。特に期待された大曲(「危機」の続編とか喧伝されている)Endress Dreamが残念ながら水っぽい。退屈なリフとボーカルパートが交互に繰り返され、無駄に長い感じがしてしまう。そしてなによりも全編通じたいわゆるポップバンド的音作りがどうにもつまらない。ドンパンいうドラムサウンドに分厚く個性のないコーラスワーク、平板なギターとキーボードの音、残念。
話題はジャケットワークがピーター・マックス(Yellow submarine!)であることかな。
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Open Your Eyesは、もともとクリス・スクワイアのソロアルバムとして構想されたネタから作られたということらしく、曲もかっこよいリフ路線のストレートな印象だ。メンバーはアンダーソン、スクワイア、ハウ、ホワイトにビリー・シャーウッドを加えた、「ほぼ最盛期メンバー」なのだが。音作りはやはりポップ路線。スクワイアががんばって売れる線を目指したという感じ。かろうじてハウのギターがときおり平穏を破ってこぼれ出る。この中では「Man in the Moon」が気に入った。なんだか暗めの変わった曲だ。
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Unionが意外とよかった。出た当時一通りきいているのだが。
これは当時の90125組とABWH(アンダーソン+ブラフォード+ウェイクマン+ハウ)組が曲を持ち寄って一枚のアルバムにしたもの。昔は90125組の曲が好きだったが(いまでもSaving my Heartは好きだが)聴きなおしてみるとABWH組に秀作がある。決して流れに媚を売らないポップというものが存在するのだ~と改めて思う。
しかしちょいとシンセの音がむき出しの時代色な感じもする>ウェイクマンさん。この辺はキーボードに明るく職人的プロデュース力のあるトレヴァー君のほうがセンスがあったかもね。
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The Ladder。Ladderってはしごだよなあ。1曲目Home World冒頭のがらがら~って言う音ははしごを下ろす音に聴こえてしまう。このアルバムはなかなかサウンドもよく、曲調も初期(1st、2nd)を思わせる素朴なものがある。聴き込めば好きになるかも。レゲエあり、ラーガロック(!)ありで、全体としては「躁状態のYES」という印象だ。
しかしやっぱりキーボードの線が弱い感じがする。ウェイクマンと比較してしまうのはYESファンの性だと思うが、ウェイクマンのあの押しの強さはやっぱりいろんな意味ですごいのだなあ。。
メンバーはA,S,H,Wにビリー・シャーウッド(g,key)とイゴール・コロシェフ(key)。おそらくはシャーウッドのギターと思われる音もやや個性に欠ける。
ボーナスで8インチCDがついている。収録曲はI've seen all good peopleとAnd you and I。結局これらのスタンダードが必殺技なのかなあ・・・
(しかし、8インチCDはパソコンでは聴けず=iPodにとりこめず;;)
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Magnification
mag・ni・fi・ca・tion
1a拡大; 誇張.
b拡大図.
2 [具体的には] 【光】 (レンズなどの)倍率
ということで、これは結構好きですね~コロシェフがセクハラ事件を起こし脱退というか解雇され(苦笑)シャーウッドも脱退し、例によってキーボード不在問題に直面したYESは、なんとオーケストラとの共演という形で問題解決を図る。個性のないキーボードを入れるよりも考えようによっては面白い。バンドのリフをなぞるようなオケではなくて、結構綿密にオーケストレーションがされているスコアは、予想を上回って音楽に貢献している。そしてなにより、久々にジョン・アンダーソンが本気で曲作りに取り組んでいるらしいことが気持ちよく。ずっと彼は雇われボーカリストのような感じだったので。
さすがにオケの音の録音+ミックスはちょっとふくよかさに欠け物足りない気もするが、オケの響きを生かそうとバンド側のサウンドやコーラスが生音に近い処理をされているのがまたよい。この生身感がYESらしさの原点だと思うわけです。全員が個性的なプレイをし、生身の楽器と声が丁々発止、これがYESです。
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そうそう、2001年のオケとのライブを収録したDVD「シンフォニック・ライブ」も観た。『Magnification』からの曲に加え、大作「錯乱の扉」「儀式」「危機」を含む往年の名曲をオケをバックに繰り広げるライブ。Long Distance Run Aroundなど、さすがにシンプルな曲にオケがかぶるのはちょっと無理な気もしたし、ハウ入りのOwner of lonely heartなどはなんだかな~という気もしないでもないですが、全体としては感動的なライブです。
このなかでジョンは、「オケとやるなら70年代のクレイジーな曲もやるべきだと思った」ということをいっていて、それで「錯乱の扉」「儀式」とくるわけで、本人もこれらの曲はクレイジーだと思っていたんだなあと感心(笑)
特筆すべきは、オケの女子率の高さ!(笑)特に弦・木管・打。目の保養になる~~だけでなく、そのオケがそのクレイジーな曲をノリノリで弾く姿がまたほほえましい。し、クラシック音楽教育の水準の高さはすごいことを改めて感じる。変拍子ノリノリで超絶フレーズを弾き/吹きまくる彼らこそすごいミュージシャンだ。
そいからサポートのキーボーディスト、トム・ブリズリンがいい仕事している。ほぼリック・ウェイクマンな存在感を再現している。グッジョブ!
というわけでした。
最近20年ぶりくらいにYES漬けになっているワタシです。
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