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2003アメリカ
監督:ジョン・ウー
原作:フィリップ・K・ディック
出演:ベン・アフレック、アーロン・エッカート、ユマ・サーマン、ポール・ジアマッティ
なぜか唐突に観る。
「スキャナー・ダークリー」に向けてディック気分を盛り上げる。
このところ邦画(っていうか実相寺)続きなので、久々に字幕鑑賞。
(疲れた。)
さて、このB'級?サスペンスドラマ、
原作はP.K.ディックの1953年発表の短編。
すごいよな50年前の作品だ。
ベースとなる素材はそれ自体もう十分ディックしているので、
それをどのように味付けしようとも、ディック臭さは抜けない。
というわけで、意外と(?)面白く観れましたね~
ジョン・ウー初体験だったけれども、知的緊張感あり、肉弾戦あり、カーチェイスあり、ロマンスあり、香港仕込みのケーブルアクションあり、の大サービス。
香港映画だと思ってみるとなんだかそこはかとないB級感にも妙に納得がいく。
原作とは大分雰囲気が違うじゃないか、とか主人公が「単なる技師だ」とか自分で言う割りには妙に強すぎるよなあとか、ディックにしては登場人物のキャラが立ち過ぎだよとか突っ込みどころは満載なんだけど、
なんつーか、ディックのもっているどこまでもB級な感じというのはしっかりととらえていて、例えば「マイノリティ・リポート」の洗練されたA級感よりはディックの世界をよく描いていたんではないかなあ・・・
***
火災報知システムとか、切手が一枚多いよとか、ネタをあらかじめ前振りで匂わせておく脚本は細部が大変巧妙にできていて、それらのネタがいざ本番!ってときに観るものをぐっと引き込む技は、なかなかのもの。
なんだけど、なんだか観ているうちに、あの茶封筒をまさぐるとその時々で使えるものが出てくる、という展開がちょっと鼻につく感じがした。ドラえもんのポケットみたいだ。
「これが使える!」と思って使ってみると実はとんちんかんで、大わらわに展開しちゃう、みたいな「裏ペイ・チェック」(ギャグ版)を想像しながら観たよ。
***
ベン・アフレック扮するジェニングスは、服装なんかはヒッチコックの世界を意識したということらしく、ケーリー・グラント風というか、「北北西・・」みたいな感じ。
でもヒッチコック風演出というのはほんの一部のことで、かえってそこだけ浮いてしまっていたかも(汗)
記憶を消去する、というのを苦心して映像化しているが、がんばればがんばるほどありえない感じがしてしまうのは、同情に値するだろう。神経細胞が大写しになってシューティングゲームよろしく細胞を一個一個潰していくなんてな~(笑)
ユマ・サーマンは、幸運にも「キル・ビル」を観ていないので(笑)先入観なく観れたと思う。(パルプフィクションは観たんだけど)
美しくて、頭が良くて、性格が良くて、活劇ができる女性なんて、都合良すぎるよ。「明日に向って撃て!」みたいな、パートナーものとして観ると面白いな。
「レディ・イン・ザ・ウォーター」のポール・ジアマッティがいい味を出していたが、いま調べていたら、私より年下であることが判明。
えええぇぇえぇええ~~~っ??うそでしょぉぉ?
好き度:
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原作本↓
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