Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

フランスの出生率

2006-02-20 12:51:41 | diary
猫沢エミさんの「パリ季記」を読んでいたら、
フランスでは未婚のカップルが多く、
しかも未婚で出産してもそれをサポートする社会があること、
それから、子沢山の友人がいること
などが書いてあり、フランスはカップルになるのも妊娠も出産も人間の基本的な営みであり、自然なこととして捉えられるんだ、というような主旨のことが書いてあった。
それから、女性も普通に自然に職業に就くものということも。

ふうん、と思っていたら、しばらく前の朝日新聞に似たような記事が載っていて、
あとこんな調査もあった。

フランスの出生率はなぜ高いか

この調査から勝手に引用すると、

○高い出産期女性の労働力率(80%)と高い合計特殊出生率(1.89)
○手厚くきめ細かい家族手当
・第2子以降には所得制限なしで20歳になる直前まで家族手当を給付
・子どもが3歳になるまで育児休業または労働時間短縮が認められ、第2子以降の育児休業手当は3歳まで受給可能
・保育ママ、ベビーシッターの利用に関する補助金も利用可能
○子どもをもつ家庭に有利なN分N乗方式の所得税制
○多様な保育サービス
○35時間労働制で男女とも短い労働時間
○同棲による婚外子が一般化

いや、細かい所は別にしても、ここに挙げられた事柄って、猫沢さんが肌で感じとって書いたこととほとんど重なるじゃないですか。

いや猫沢さん、サスガ・・・って話。

**

日本ではどうかというのはいろいろとあるでしょうけれど、
行政の態度が、少子化と高齢化の二極の問題をいいように使い分けているような気がしてならない。

少子化対策の観点から見て不十分な施策については、「今は高齢化社会なのでそちらに予算を回さざるを得ない」と。

で、反対に高齢化社会対策で不備な点があると、「今は少子化対策が重要だから」と・・・

どちらも実際に末端の住民対応組織である区市町村との会話で聴いた言葉である。

やれやれ。

少し考えると、この両極の問題は表裏一体なところがあって、どちらか解決すればよいという問題ではないということがすぐわかる。

行政よ、せめてもうちょっと気の利いた言い逃れを考えておくべきなのだ。

**

しかしまあ、日本は子育てには冷たいですね。
女性が働きながら育てることにはまだまだいい顔されないし、
保育園は空きがないし、
児童手当はちょっと子供が大きくなると切られちゃうし、
育児休業だってとりにくいし、
住宅は狭いし高いし、
子供をねらう悪いやつもいるし・・・

などと失望しながらの勤務中です。

パリ季記―フランスでひとり+1匹暮らし

地球丸

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コメント (3)
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