被爆者や遺族たちよ、久間防衛相発言を無駄にせず、ブッシュ大統領に「謝罪と賠償」を求めよ!

2007年07月01日 21時06分43秒 | 政治
◆久間章生防衛相が、「間違えると北海道までソ連に占領されていた。原爆も落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、『あれで戦争が終わったんだ』という頭の整理でしょうがないなと思っている」と千葉県柏市の麗澤大学で行った講演のなかで発言したことが、物議を醸している。被爆地の広島市や長崎市の市民の間で顰蹙を買っているだけでなく、野党各党から批判の声が上がっている。
この動きを見ていると、日米間で第二次世界大戦中に起きた惨劇に対する受け止め方に微妙な変化が生じてきているのではないかと感じる。強いて言えば、歴史観、戦争観の変化とそこから発生する被害者意識の変化である。
 久間防衛相が発言したように「あれで戦争が終わったんだ」というのは、敗戦後の日本国民の一般的な意識だった。心中では、ポツダム宣言を受けながら、終戦の決断に踏み切れなかった当時の日本の指導者に対する恨みと、原爆を投下したアメリカに対する恨みを抱きながら、日本国民は表立ったこう抗議の声と損害賠償を求める運動も行なってこなかった。「日本が悪かった」という気持ちが強く、アメリカ軍の蛮行を咎める勇気がなかったからとも言える。
◆大統領を最高指揮官とするアメリカ軍は、非戦闘員に銃弾を浴びせてはならないという国際法を犯して、ドイツやイタリア、日本を無差別爆撃して多くの市民を大虐殺した。広島、長崎に対する原爆投下も、その流れのなかで行われた。これは紛れもなく「戦争犯罪」である。似たような無差別爆撃をベトナムでも、アフガニスタンでも、イラクでも相変わらず行ってきた。クラスター爆弾やナパーム弾、ディジーカッター、劣化ウラン弾など原爆を上回るほどの爆弾が開発され、数え切れない市民を殺戮してきた。アメリカ軍は、今後も同様の蛮行を続けていくに違いない。
◆久間防衛相は、皮肉にも、日本国民の多くが抱いているであろう「アメリカに対する抗議の感情」に火をつけたように思える。
 これまで被爆者やその遺族が、アメリカ政府を被告として裁判を起こす運動は、極めて稀なケースとしてはあった。だが、「そんなことをしても無駄だ」という国民一般の空気のなかで、「ちょっと頭のおかしい人がやっている」というくらいにしか受け取られず、むしろ馬鹿にされ、無視をされてきた。
◆ところが、これまで日本国民の心のなかで、「あれで戦争が終わったんだ」という諦めとともに秘沈されてきた「アメリカ軍に対する恨みと抗議の感情」が、久間防衛相の発言によって、一気に噴出きたのである。
 これも実に皮肉なことだが、この伏線には、アメリカ議会が「日本政府は慰安婦に謝罪すべきだ」と決議したことが大きく作用していることも忘れてはならない。こちらは、韓国人らの日本に対する「怨念と抗議」の感情が、ロビーストらの力により、アメリカ議会を動かしたのである。今度は、久間防衛相の発言が、被爆国・日本の国民感情を噴出させてきた。折角、怒るのであれば、被爆者やその遺族は、ブッシュ大統領を被告として、国際司法裁判所に提訴するなりして、アメリカ政府に謝罪と被爆者やその遺族への損害賠償を求める国民的な大運動を世界的規模で起こすべきである。風呂のなかで放屁して鬱憤ばらしする程度で済ませてはならない。アメリカは、ベトナム戦争に敗れ、イラク戦争でも事実上、敗戦国となっている。
日本国民も、これからは「弱り目に祟り目」のアメリカに対して言いたいことは、はっきりと言って行こうではないか。いつまでも「戦勝国ヅラ」させておく必要はない。この際、一見、アホと思える久間防衛相の発言を無駄にしてはならないのでありまする。
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コメント (1)
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