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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「廛テン」<村里と屋敷> と「躔テン」「纏テン」

2015年03月26日 | 漢字の音符
 テン  广部

解字 篆文は、「广(やね)+里(さと)+八(わける)+土(土地)」の会意。一家族に分けられた村里の土地およびそこに建つ家。周代に青年男子ひとりに二畝半(4.55アール)の土地兼宅地が与えられた。のち、やしきの意から、みせの意となった。[角川新字源]を参考にした。
意味 (1)やしき。宅地や屋敷。「廛宅テンタク」(人民の住宅)(2)みせ。「廛肆テンシ」(廛も肆も、みせの意)「酒廛シュテン

イメージ
 「村里と屋敷」
(廛・躔・纏・纒)
音の変化 テン:廛・躔・纏・纒

村里と屋敷
 テン・ふむ  足部
解字 「足(あるく)+廛(村里と屋敷)」の会意形声。村里の屋敷を足であるいてめぐること。転じて、天体の運行の軌道の意でも使われる。
意味 (1)めぐる。ふむ(躔む)。足跡を残してへめぐる。(2)やどる。めぐってから休む。(3)めぐりあるいた足跡。やどり。天体がめぐってゆく軌道。「躔次テンジ」(星のやどり。天体が運行して占める位置)「躔度テンド」(天体の周期的に動く度合い)
 テン・まとう・まつわる・まとい  糸部
解字 「糸(いと)+廛(=躔。めぐる)」の会意形声。糸が物の周りをめぐり、まつわること。
意味 (1)まとう(纏う)。まつわる(纏わる)。からまる。まきつく。「纏足テンソク」(幼い女児の足にかたく布を巻き、足が大きくならないようにした風習)「纏綿テンメン」(纏わりついて離れない。纏は、まつわる、綿はつらなる意)(2)[国]まとい(纏)。①戦陣で大将のそばに立てた目印。②火消しの組の目印。「纏持まといもち」(火消しの組のまといを持つ者。消化活動の旗振りをした)
纏持(みんなの知識・江戸町火消)
[異体字] テン・まく  糸部
解字 「糸+广+黒+土」からなる.
テンの異体字。纏の「里+ハ」⇒黒に変化した字。主に地名に用いられる。
意味 地名・遺跡名。「纒向まきむく」(奈良県桜井市の三輪山北西麓一帯にある弥生時代末期から古墳時代前期にかけての複合遺跡。国の史跡に指定されている。名称は旧磯城シキ郡纒向村に由来する。また、垂仁天皇の「纒向まきむく珠城たまき宮」、景行天皇の「纒向まきむく日代ひしろ宮」がこの地にあった。)

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