音符「夐ケイ」と「瓊ケイ」
夐 ケイ・はるか 攵部 xuàn・xiòng
上は奐カン、中は夐ケイ、下は攴ボク
解字 上の奐カンの金文は身体をひねった大のかたちの人が股間をひろげており、その下に両手を描く。女性が分娩するとき、介助の人が両手で子どもをとりあげる形で換カンの原字。篆文は上部が人の側面となり股間と分離し、現代字は両手が大に変化した奐カンになった。
一方、夐ケイの篆文は「奐カンの上部+𥄎ケツ・ケチ」で[説文解字]は「𥄎(目+攴)に従い、人の穴の上に在るに従う」とし、「營(営)求(尋訪・尋ね訪れる)也(なり)」とするが意味が分かりにくい。𥄎(目+攴)ケツ・ケチは、目を攴ボク(手で棒などを持って打つ)意であり、ネットの[漢字林(非部首部別) 攴部]によると「ちらっと横目で見る」意とする。私は「高い穴(洞穴)の上の人が、おそるおそる(真下を見るのではなく)チラッと横目で遠くを見る意から「はるか」の意味がある会意字と解釈したい(私見です)。
意味 (1)はるか。とおい。「夐絶ケイゼツ」(はるかにかけ隔てる。=夐遠ケイエン)「夐然ケイゼン」(はるかなさま)「敻古ケイコ」(はるかな昔)(2)もとめる。
イメージ
「はるか」(夐)
「形声字」(瓊)
音の変化 ケイ:夐・瓊
形声字
瓊 ケイ・たま・に 王部 qióng
解字 「王(玉・貴石)+敻(ケイ)」の形声。ケイという名の宝石。「たま」や「玉の美しい色」などの意味がある。
意味 (1)たま(瓊)。美しい玉。「瓊音ケイオン」(①玉の音。澄んで調子の高い音響。②手紙の美称)「瓊樹ケイジュ」(①玉の生じる木。その花を食べると長生きするという。②玉のように美しい木)「瓊枝玉葉ケイシギョクヨウ」(皇室の子孫・一族のたとえ)「瓊杯ケイハイ」(玉のさかずき。玉杯)(2)に(瓊)。①赤い色の玉。②万葉仮名の用法。「瓊瓊杵尊ににぎのみこと」(日本神話の神。アマテラスの孫にあたる神)(3)玉のように美しい。「瓊筵ケイエン」(①玉のように美しいむしろ。②美しい宴席)「瓊宮ケイキュウ」(美しい御殿)
鑑真ゆかりの花・瓊花ケイカ
「瓊花ケイカ」とは、スイカズラ科の花で5弁の花を8個付けることから八仙花ともいい中国・隋の皇帝、煬帝ヨウダイも愛したといわれる。唐招提寺を創建した鑑真和上の故郷・揚州市(江蘇省)の名花であり、和上の没後1200年の1963(昭和38)年に中国仏教協会から同寺に贈られた。唐招提寺はこの花が咲く御影堂供華園(くげえん)を4月末から5月初めに毎年特別公開している。
鑑真和上(688~763)は唐の学僧。揚州江陽県の生まれで戒律・天台教学などを習学した。入唐僧侶の栄叡らの要請により渡航を決意、暴風・失明などの苦難をおかして、753年に来日。東大寺に初めて戒壇を設け、のち戒壇道場として唐招提寺を建立し、大和上の号を賜った。
鑑真ゆかりの花・見頃(ブログ「神仏霊場遥拝の旅」より)
なお鑑真和上が日本に上陸したとされる嘉瀬かせ津があった佐賀市にも揚州市から1990(平成2)年に贈られ、同市の佐賀県森林公園に植えられており4月中旬ごろに満開になる。
夐 ケイ・はるか 攵部 xuàn・xiòng
上は奐カン、中は夐ケイ、下は攴ボク
解字 上の奐カンの金文は身体をひねった大のかたちの人が股間をひろげており、その下に両手を描く。女性が分娩するとき、介助の人が両手で子どもをとりあげる形で換カンの原字。篆文は上部が人の側面となり股間と分離し、現代字は両手が大に変化した奐カンになった。
一方、夐ケイの篆文は「奐カンの上部+𥄎ケツ・ケチ」で[説文解字]は「𥄎(目+攴)に従い、人の穴の上に在るに従う」とし、「營(営)求(尋訪・尋ね訪れる)也(なり)」とするが意味が分かりにくい。𥄎(目+攴)ケツ・ケチは、目を攴ボク(手で棒などを持って打つ)意であり、ネットの[漢字林(非部首部別) 攴部]によると「ちらっと横目で見る」意とする。私は「高い穴(洞穴)の上の人が、おそるおそる(真下を見るのではなく)チラッと横目で遠くを見る意から「はるか」の意味がある会意字と解釈したい(私見です)。
意味 (1)はるか。とおい。「夐絶ケイゼツ」(はるかにかけ隔てる。=夐遠ケイエン)「夐然ケイゼン」(はるかなさま)「敻古ケイコ」(はるかな昔)(2)もとめる。
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「はるか」(夐)
「形声字」(瓊)
音の変化 ケイ:夐・瓊
形声字
瓊 ケイ・たま・に 王部 qióng
解字 「王(玉・貴石)+敻(ケイ)」の形声。ケイという名の宝石。「たま」や「玉の美しい色」などの意味がある。
意味 (1)たま(瓊)。美しい玉。「瓊音ケイオン」(①玉の音。澄んで調子の高い音響。②手紙の美称)「瓊樹ケイジュ」(①玉の生じる木。その花を食べると長生きするという。②玉のように美しい木)「瓊枝玉葉ケイシギョクヨウ」(皇室の子孫・一族のたとえ)「瓊杯ケイハイ」(玉のさかずき。玉杯)(2)に(瓊)。①赤い色の玉。②万葉仮名の用法。「瓊瓊杵尊ににぎのみこと」(日本神話の神。アマテラスの孫にあたる神)(3)玉のように美しい。「瓊筵ケイエン」(①玉のように美しいむしろ。②美しい宴席)「瓊宮ケイキュウ」(美しい御殿)
鑑真ゆかりの花・瓊花ケイカ
「瓊花ケイカ」とは、スイカズラ科の花で5弁の花を8個付けることから八仙花ともいい中国・隋の皇帝、煬帝ヨウダイも愛したといわれる。唐招提寺を創建した鑑真和上の故郷・揚州市(江蘇省)の名花であり、和上の没後1200年の1963(昭和38)年に中国仏教協会から同寺に贈られた。唐招提寺はこの花が咲く御影堂供華園(くげえん)を4月末から5月初めに毎年特別公開している。
鑑真和上(688~763)は唐の学僧。揚州江陽県の生まれで戒律・天台教学などを習学した。入唐僧侶の栄叡らの要請により渡航を決意、暴風・失明などの苦難をおかして、753年に来日。東大寺に初めて戒壇を設け、のち戒壇道場として唐招提寺を建立し、大和上の号を賜った。
鑑真ゆかりの花・見頃(ブログ「神仏霊場遥拝の旅」より)
なお鑑真和上が日本に上陸したとされる嘉瀬かせ津があった佐賀市にも揚州市から1990(平成2)年に贈られ、同市の佐賀県森林公園に植えられており4月中旬ごろに満開になる。