増訂しました。
肙 エン・ケン 月部にく yuān
解字 篆文は「口(まるい)+月(からだ)」の会意。まるくて細長い芋虫の形を表わし、蜎の原字。現代字は肙になった。「まるく細長い虫」のイメージを持つ。[説文解字]は「小蟲(むし)也(なり)」とする。
意味 (1)小さく細長い虫。(2)うごく。(3)ぼうふら(蚊の幼虫)
イメージ
「まるく細長い虫」(蜎・絹・羂・捐)
「形声字」(娟・鵑・狷)
音の変化 ケン:絹・羂・娟・鵑・狷 エン:蜎・捐
まるく細長い虫
蜎 エン・ケン 虫部 yuān
解字 「虫(むし)+肙(まるく細長い虫)」の会意形声。虫をつけて、いもむしがくねるさまをいう。また、娟ケンと通じ、美しい意でも使われる。古書上はボウフラをいう。
意味 (1)いもむしのはうさま。屈曲する。「蜎蜎エンエン」(いもむしの動くさま) (2)ぼうふら。蚊の幼虫。(3)美しい。「蟬蜎センケン」(あでやかで美しい=嬋娟)
絹 ケン・きぬ 糸部 juàn
解字 「糸(いと)+肙(まるく細長い虫=かいこ)」の会意形声。肙はここでは蚕。絹は蚕が作った繭まゆからできる絹糸をいう。
意味 きぬ(絹)。きぬいと(絹糸)。また、絹糸の織物。「絹織物きぬおりもの」「絹布ケンプ」(絹織物)「絹本ケンポン」(絹の布に書いた文字や絵画)「人絹ジンケン」(人造絹糸の略)
羂 ケン 罒部よこめ juàn
解字 「罒=网(あみ)+絹(絹糸)」の会意形声。絹糸で編んだ網。
意味 (1)わな。あみ。「羂索ケンサク・ケンザク」(①羂はあみ、索はつなの意で、網をつないで張った獲物を捕らえるわな。②[仏]衆生を救うために用いる五色の糸をより合わせてつくった縄。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこれを手に持つ)(2)くくる。つなぐ。「羂結ケンケツ」(つなぎしばる・くくる)
①②
①不空羂索観音(復元像)②手にもつ羂索[イSム(イスム)より]
捐 エン・すてる 扌部 juān
解字 「扌(て)+肙(まるく細長い虫)」の会意形声。肙はここで芋虫やボウフラなどの役立たない虫のこと。これらの虫を手ですてること。
意味 (1)すてる(捐てる)。「捐棄エンキ」(すてる。捐も棄も、すてる意)「捐身エンシン」(身をすてる)「捐命エンメイ」(命をすてる)(2)さしだす。寄付する。「義捐金ギエンキン」(慈善・災害救助などのため寄付したお金。義援金とも書く)(3)清朝末期の税金の一種。「戸捐コエン」(家屋税)「房捐ボウエン」(家屋税)
形声字
娟 ケン・エン・うつくしい 女部 juān
解字 「女(おんな)+肙(ケン)」の形声。姿のうつくしい女を娟ケンという。
意味 うつくしい(娟しい)。しなやか。「娟秀ケンシュウ」(しなやかですぐれる)「娟雅ケンガ」(しなやかでみやびな美しさ)「嬋娟センケン」(あでやかで美しい)
狷 ケン 犭部 juàn
解字 「犭(いぬ)+肙(ケン)」の会意形声。犭(いぬ)は、ここで犬のような人の意で評価の低い人物をさす。心の小さく狭い人を狷ケンといい、頑固・片意地などの意となる。
意味 (1)心が狭い。気が短い。「狷急ケンキュウ」(度量が狭く気が短い)「狷狭ケンキョウ」(度量が狭い)「狭狷キョウケン」(理想に走りかたくななこと[論語・子路])(2)がんこ(頑固)。片意地な。「狷介ケンカイ」(かたく自己をまもり協調性にとぼしい。介は、かたい意)「狷介孤高ケンカイココウ」(かたく自己の意思を守り、他人と和合しない)「狷介固陋ケンカイコロウ」(かたく自己の意思を守り、新しいものを受け入れないこと)
鵑 ケン 鳥部 jiān
ホトトギス
解字 「鳥(とり)+肙(ケン)」の形声。ケンという名の鳥。「杜鵑トケン」として用いられる。
意味 「杜鵑トケン」とはホトトギスの意。中国・戦国時代の蜀の杜宇(望帝)が不品行により帝位を逐われ、魂が化してこの鳥になったという伝説から杜鵑トケンという。カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類。杜宇、不如帰、時鳥、子規など異名が多い。「杜鵑花トケンカ」(サツキツツジの別称・ホトトギスが鳴く頃に咲く花の意)
杜鵑花(台湾のネット「杜鵑花」から)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
肙 エン・ケン 月部にく yuān
解字 篆文は「口(まるい)+月(からだ)」の会意。まるくて細長い芋虫の形を表わし、蜎の原字。現代字は肙になった。「まるく細長い虫」のイメージを持つ。[説文解字]は「小蟲(むし)也(なり)」とする。
意味 (1)小さく細長い虫。(2)うごく。(3)ぼうふら(蚊の幼虫)
イメージ
「まるく細長い虫」(蜎・絹・羂・捐)
「形声字」(娟・鵑・狷)
音の変化 ケン:絹・羂・娟・鵑・狷 エン:蜎・捐
まるく細長い虫
蜎 エン・ケン 虫部 yuān
解字 「虫(むし)+肙(まるく細長い虫)」の会意形声。虫をつけて、いもむしがくねるさまをいう。また、娟ケンと通じ、美しい意でも使われる。古書上はボウフラをいう。
意味 (1)いもむしのはうさま。屈曲する。「蜎蜎エンエン」(いもむしの動くさま) (2)ぼうふら。蚊の幼虫。(3)美しい。「蟬蜎センケン」(あでやかで美しい=嬋娟)
絹 ケン・きぬ 糸部 juàn
解字 「糸(いと)+肙(まるく細長い虫=かいこ)」の会意形声。肙はここでは蚕。絹は蚕が作った繭まゆからできる絹糸をいう。
意味 きぬ(絹)。きぬいと(絹糸)。また、絹糸の織物。「絹織物きぬおりもの」「絹布ケンプ」(絹織物)「絹本ケンポン」(絹の布に書いた文字や絵画)「人絹ジンケン」(人造絹糸の略)
羂 ケン 罒部よこめ juàn
解字 「罒=网(あみ)+絹(絹糸)」の会意形声。絹糸で編んだ網。
意味 (1)わな。あみ。「羂索ケンサク・ケンザク」(①羂はあみ、索はつなの意で、網をつないで張った獲物を捕らえるわな。②[仏]衆生を救うために用いる五色の糸をより合わせてつくった縄。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこれを手に持つ)(2)くくる。つなぐ。「羂結ケンケツ」(つなぎしばる・くくる)
①②
①不空羂索観音(復元像)②手にもつ羂索[イSム(イスム)より]
捐 エン・すてる 扌部 juān
解字 「扌(て)+肙(まるく細長い虫)」の会意形声。肙はここで芋虫やボウフラなどの役立たない虫のこと。これらの虫を手ですてること。
意味 (1)すてる(捐てる)。「捐棄エンキ」(すてる。捐も棄も、すてる意)「捐身エンシン」(身をすてる)「捐命エンメイ」(命をすてる)(2)さしだす。寄付する。「義捐金ギエンキン」(慈善・災害救助などのため寄付したお金。義援金とも書く)(3)清朝末期の税金の一種。「戸捐コエン」(家屋税)「房捐ボウエン」(家屋税)
形声字
娟 ケン・エン・うつくしい 女部 juān
解字 「女(おんな)+肙(ケン)」の形声。姿のうつくしい女を娟ケンという。
意味 うつくしい(娟しい)。しなやか。「娟秀ケンシュウ」(しなやかですぐれる)「娟雅ケンガ」(しなやかでみやびな美しさ)「嬋娟センケン」(あでやかで美しい)
狷 ケン 犭部 juàn
解字 「犭(いぬ)+肙(ケン)」の会意形声。犭(いぬ)は、ここで犬のような人の意で評価の低い人物をさす。心の小さく狭い人を狷ケンといい、頑固・片意地などの意となる。
意味 (1)心が狭い。気が短い。「狷急ケンキュウ」(度量が狭く気が短い)「狷狭ケンキョウ」(度量が狭い)「狭狷キョウケン」(理想に走りかたくななこと[論語・子路])(2)がんこ(頑固)。片意地な。「狷介ケンカイ」(かたく自己をまもり協調性にとぼしい。介は、かたい意)「狷介孤高ケンカイココウ」(かたく自己の意思を守り、他人と和合しない)「狷介固陋ケンカイコロウ」(かたく自己の意思を守り、新しいものを受け入れないこと)
鵑 ケン 鳥部 jiān
ホトトギス
解字 「鳥(とり)+肙(ケン)」の形声。ケンという名の鳥。「杜鵑トケン」として用いられる。
意味 「杜鵑トケン」とはホトトギスの意。中国・戦国時代の蜀の杜宇(望帝)が不品行により帝位を逐われ、魂が化してこの鳥になったという伝説から杜鵑トケンという。カッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類。杜宇、不如帰、時鳥、子規など異名が多い。「杜鵑花トケンカ」(サツキツツジの別称・ホトトギスが鳴く頃に咲く花の意)
杜鵑花(台湾のネット「杜鵑花」から)
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