寛カンを追加しました。
見 ケン・みる・みえる・みせる 見部
解字 甲骨文は目を横に描いた形の下にひざまずく人を描く。見る・偵察する・会う意味で使われている。金文は横目に目玉を描き人は半立ち姿になった。篆文からタテの目に人の下部を付けた形になり、現代字は「目+儿」の会意になった。人が見る・人にあう・物の見方などの意味になる。見は部首となる。
意味 (1)みる(見る)。目でみる。みえる。「見聞ケンブン」「外見ガイケン」 (2)物の見方。みるところ。「見解ケンカイ」「意見イケン」 (3)人にあう。まみえる(見える)。「会見カイケン」「見参ケンザン」 (4)あらわれる。「露見ロケン」
参考 見ケンは部首「見みる」になる。部首での意味も見る意。常用漢字で7字、約14,600字を収録する『新漢語林』では44字収録されている。
常用漢字 7字
見ケン・みる(部首)
覚カク・おぼえる(見+音符「学の略」)
観[觀]カン・みる(見+音符「雚カン」)
規キ・のり(見+夫の会意)
視シ・みる(見+音符「示ジ・シ」)
親シン・おや(見+音符「亲シン」)
覧ラン(見+音符「監カンの略」)
このうち、覚カク・規キは音符となる。
イメージ
「みる・みえる」(見・現・筧・蜆)
「形声字」(硯)
「その他」(寛)
音の変化 ケン:見・筧・蜆・硯 ゲン:現 カン:寛
みる・みえる
現 ゲン・あらわれる 玉部
解字 「王(玉)+見(みる)」 の会意形声。人が玉(たま。宝玉)を見る形。玉は美しい石の総称であり宝石の意。宝石は地球内部の高温で圧縮されたマグマが地表に出てくる過程でできた鉱物のうち、質が硬く光沢が美しい石をいう。各種の宝石(王)を見る(現)と、その宝石に特有な色つやや肌理きめ(表面の細かい文様)が見えることから、あらわれる意となる。また、宝石を見ると、肌理や色つやが「まのあたりに、いま」あらわれる意ともなる。現世(この世)の意は仏教用語からきた。現の字は、楷書から現れた比較的新しい字。以前は見ケン・ゲンの字で、現の意味を表していた。例「彗星スイセイ東方に見(あらわ)る」「見金ゲンキン」(現金)「見任ゲンニン」(現任)
意味 (1)あらわれる(現れる)。あらわす。「出現シュツゲン」「表現ヒョウゲン」 (2)いま。まのあたり。「現在ゲンザイ」「現況ゲンキョウ」「現実ゲンジツ」 (3)うつつ。この世。「現世ゲンセ」「現身うつしみ」(現世の人の身)
筧 ケン・かけい 竹部
筧(かけい)(「茶室を学ぶ」より)
解字 「竹(たけ)+見(みえる)」 の会意形声。地上に見えるように渡した、水を通す竹管。
意味 かけい(筧)。かけひ(懸樋)。水をひくために地上に架け渡した樋。「竹筧チッケン」「筧水ケンスイ」
蜆 ケン・しじみ 虫部
解字 「虫(ここでは貝)+見(みえる)」 の会意形声。川の浅瀬や汽水域(淡水と海水のまじわるところ)に生息し、浅いところや潮が引いた汽水域で、貝が見えることから。
意味 しじみ(蜆)。ヤマトシジミ科の二枚貝の総称。淡水域や汽水域に生息する小型の二枚貝。「蜆蛤ケンコウ」(しじみとはまぐり)「蜆汁しじみじる」
覡 ゲキ・ケキ・かんなぎ 見部
解字 「見(みる)+巫(みこ)」の会意。巫フ(みこ)は神に仕えて神楽・祈祷を行ない、また神意をうかがって神託を告げる者。覡ゲキは神に祈る巫フ(みこ)が神を見るかたちで、おかんなぎ(男の巫)をいう。神に祈って神を見ることのできる人。特に男性のミコに用いられる。
意味 かんなぎ(覡)。ミコ。特に男性のミコ。「巫覡フゲキ」(かんなぎの総称。巫は女の、覡は男のかんなぎ)
形声字
硯 ケン・すずり 石部
解字 「石(いし)+見(ケン)」の形声。ケンは研ケン(平らにとぐ)に通じ、研ぐための石。すずり石を表わす。
意味 すずり(硯)。墨をする道具。「硯池ケンチ」(硯のくぼんだ部分)「硯田ケンデン」(文筆で生活すること。硯を作物を生む田に例えた)「硯滴ケンテキ」(硯の水さし)
その他
寛[寬] カン・ひろい・くつろぐ・ゆるやか 宀部
最近、ネットの[漢典]で金文の寛を見つけた。「寬兒鼎(かんじけい)」という鼎かなえと、「齊侯盤(さいこうばん)」という盤(うつわ)に刻まれていた文字である。実はもう一つ「齊侯匜(さいこうい)」という匜イ(把手と注口のついた器で、水を注ぐ用途がある)という水器にも寛があるが、「齊侯盤」とほぼ同じ形なので省略している。(ご覧になりたい方はネットの[漢典]⇒寛を検索してください)
第一字の寛「寬兒鼎」は、ウ冠(屋根・建物)の下に屮(草)が四つ描かれ、中央に日(太陽)と人がいる。屋根の下に、草原と太陽と人を描き、建物の中が広い⇒ひろい意と思われる。この字は寬兒という人名になっている。第二字は中央の太陽が目のような形に変化しており、周りの屮(草)四つは同じ。この字は屋根の下が「草原と見る」になっており、草原を見渡すような広い建物の意と思われる。意味は人名かどうかは不明。この金文第二字を用いて下記の変遷図を作成した。
解字 金文は、「宀(建物)+屮(草)が四つ(草原)+見(みる)」で、建物の中が草原を見渡すように広い意と思われる。篆文の[説文解字]は「宀(建物)+目の上にトと逆ト+人に尾がついた形」になった。この字形を[説文解字]は「家がゆったりと大きい」と説明し、「宀と萈カン(上部の艹はトと逆トの省略形)」から構成される」とするが萈の意味は説明していない。おそらく説明ができずに、宀の下をまとめて一字にしたのであろう。旧字は下部の儿に点のついた寬であったが、新字体は点がとれた寛になった。旧字を使っていた人は、何故ここに点がつくのだろうと不思議に思っていたにちがいない。
この字形は金文が見つかったことで明確な説明ができるようになった。即ち現代字の艹(艸)は草原の略体であり、宀(建物)の中が「草原を見る」ような広さがある意である。転じて心がひろい意。また、広い心で、ゆるす意となる。
意味 (1)ひろい(寛い)。①心がひろい。「寛大カンダイ」「寛容カンヨウ」「寛厚カンコウ」(心がひろく厚い) ②空間が広い。ゆったりした。「寛閑カンカン」(土地がひろく静かなこと)「寛衣カンイ」(ゆったりした衣服) (2)ゆるす(寛す)。「寛恕カンジョ」(とがめだてせず、ゆるす)「寛赦カンシャ」(大目に見てゆるす) (3)くつろぐ(寛ぐ)。のんびりする。「寛放カンホウ」(自由で束縛されないさま) (3)ゆるやか(寛やか)。
覚え方 うさ(ウサ)ばらし、み(見)て寛(くつろ)げば寛大に [漢字川柳]
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
見 ケン・みる・みえる・みせる 見部
解字 甲骨文は目を横に描いた形の下にひざまずく人を描く。見る・偵察する・会う意味で使われている。金文は横目に目玉を描き人は半立ち姿になった。篆文からタテの目に人の下部を付けた形になり、現代字は「目+儿」の会意になった。人が見る・人にあう・物の見方などの意味になる。見は部首となる。
意味 (1)みる(見る)。目でみる。みえる。「見聞ケンブン」「外見ガイケン」 (2)物の見方。みるところ。「見解ケンカイ」「意見イケン」 (3)人にあう。まみえる(見える)。「会見カイケン」「見参ケンザン」 (4)あらわれる。「露見ロケン」
参考 見ケンは部首「見みる」になる。部首での意味も見る意。常用漢字で7字、約14,600字を収録する『新漢語林』では44字収録されている。
常用漢字 7字
見ケン・みる(部首)
覚カク・おぼえる(見+音符「学の略」)
観[觀]カン・みる(見+音符「雚カン」)
規キ・のり(見+夫の会意)
視シ・みる(見+音符「示ジ・シ」)
親シン・おや(見+音符「亲シン」)
覧ラン(見+音符「監カンの略」)
このうち、覚カク・規キは音符となる。
イメージ
「みる・みえる」(見・現・筧・蜆)
「形声字」(硯)
「その他」(寛)
音の変化 ケン:見・筧・蜆・硯 ゲン:現 カン:寛
みる・みえる
現 ゲン・あらわれる 玉部
解字 「王(玉)+見(みる)」 の会意形声。人が玉(たま。宝玉)を見る形。玉は美しい石の総称であり宝石の意。宝石は地球内部の高温で圧縮されたマグマが地表に出てくる過程でできた鉱物のうち、質が硬く光沢が美しい石をいう。各種の宝石(王)を見る(現)と、その宝石に特有な色つやや肌理きめ(表面の細かい文様)が見えることから、あらわれる意となる。また、宝石を見ると、肌理や色つやが「まのあたりに、いま」あらわれる意ともなる。現世(この世)の意は仏教用語からきた。現の字は、楷書から現れた比較的新しい字。以前は見ケン・ゲンの字で、現の意味を表していた。例「彗星スイセイ東方に見(あらわ)る」「見金ゲンキン」(現金)「見任ゲンニン」(現任)
意味 (1)あらわれる(現れる)。あらわす。「出現シュツゲン」「表現ヒョウゲン」 (2)いま。まのあたり。「現在ゲンザイ」「現況ゲンキョウ」「現実ゲンジツ」 (3)うつつ。この世。「現世ゲンセ」「現身うつしみ」(現世の人の身)
筧 ケン・かけい 竹部
筧(かけい)(「茶室を学ぶ」より)
解字 「竹(たけ)+見(みえる)」 の会意形声。地上に見えるように渡した、水を通す竹管。
意味 かけい(筧)。かけひ(懸樋)。水をひくために地上に架け渡した樋。「竹筧チッケン」「筧水ケンスイ」
蜆 ケン・しじみ 虫部
解字 「虫(ここでは貝)+見(みえる)」 の会意形声。川の浅瀬や汽水域(淡水と海水のまじわるところ)に生息し、浅いところや潮が引いた汽水域で、貝が見えることから。
意味 しじみ(蜆)。ヤマトシジミ科の二枚貝の総称。淡水域や汽水域に生息する小型の二枚貝。「蜆蛤ケンコウ」(しじみとはまぐり)「蜆汁しじみじる」
覡 ゲキ・ケキ・かんなぎ 見部
解字 「見(みる)+巫(みこ)」の会意。巫フ(みこ)は神に仕えて神楽・祈祷を行ない、また神意をうかがって神託を告げる者。覡ゲキは神に祈る巫フ(みこ)が神を見るかたちで、おかんなぎ(男の巫)をいう。神に祈って神を見ることのできる人。特に男性のミコに用いられる。
意味 かんなぎ(覡)。ミコ。特に男性のミコ。「巫覡フゲキ」(かんなぎの総称。巫は女の、覡は男のかんなぎ)
形声字
硯 ケン・すずり 石部
解字 「石(いし)+見(ケン)」の形声。ケンは研ケン(平らにとぐ)に通じ、研ぐための石。すずり石を表わす。
意味 すずり(硯)。墨をする道具。「硯池ケンチ」(硯のくぼんだ部分)「硯田ケンデン」(文筆で生活すること。硯を作物を生む田に例えた)「硯滴ケンテキ」(硯の水さし)
その他
寛[寬] カン・ひろい・くつろぐ・ゆるやか 宀部
最近、ネットの[漢典]で金文の寛を見つけた。「寬兒鼎(かんじけい)」という鼎かなえと、「齊侯盤(さいこうばん)」という盤(うつわ)に刻まれていた文字である。実はもう一つ「齊侯匜(さいこうい)」という匜イ(把手と注口のついた器で、水を注ぐ用途がある)という水器にも寛があるが、「齊侯盤」とほぼ同じ形なので省略している。(ご覧になりたい方はネットの[漢典]⇒寛を検索してください)
第一字の寛「寬兒鼎」は、ウ冠(屋根・建物)の下に屮(草)が四つ描かれ、中央に日(太陽)と人がいる。屋根の下に、草原と太陽と人を描き、建物の中が広い⇒ひろい意と思われる。この字は寬兒という人名になっている。第二字は中央の太陽が目のような形に変化しており、周りの屮(草)四つは同じ。この字は屋根の下が「草原と見る」になっており、草原を見渡すような広い建物の意と思われる。意味は人名かどうかは不明。この金文第二字を用いて下記の変遷図を作成した。
解字 金文は、「宀(建物)+屮(草)が四つ(草原)+見(みる)」で、建物の中が草原を見渡すように広い意と思われる。篆文の[説文解字]は「宀(建物)+目の上にトと逆ト+人に尾がついた形」になった。この字形を[説文解字]は「家がゆったりと大きい」と説明し、「宀と萈カン(上部の艹はトと逆トの省略形)」から構成される」とするが萈の意味は説明していない。おそらく説明ができずに、宀の下をまとめて一字にしたのであろう。旧字は下部の儿に点のついた寬であったが、新字体は点がとれた寛になった。旧字を使っていた人は、何故ここに点がつくのだろうと不思議に思っていたにちがいない。
この字形は金文が見つかったことで明確な説明ができるようになった。即ち現代字の艹(艸)は草原の略体であり、宀(建物)の中が「草原を見る」ような広さがある意である。転じて心がひろい意。また、広い心で、ゆるす意となる。
意味 (1)ひろい(寛い)。①心がひろい。「寛大カンダイ」「寛容カンヨウ」「寛厚カンコウ」(心がひろく厚い) ②空間が広い。ゆったりした。「寛閑カンカン」(土地がひろく静かなこと)「寛衣カンイ」(ゆったりした衣服) (2)ゆるす(寛す)。「寛恕カンジョ」(とがめだてせず、ゆるす)「寛赦カンシャ」(大目に見てゆるす) (3)くつろぐ(寛ぐ)。のんびりする。「寛放カンホウ」(自由で束縛されないさま) (3)ゆるやか(寛やか)。
覚え方 うさ(ウサ)ばらし、み(見)て寛(くつろ)げば寛大に [漢字川柳]
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
U+24ACA ←文字化けせず表示されますように...