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80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

213系5000番代の製作(3)

2022-06-16 02:00:21 | 中央東線周辺
ビードと並ぶステンレスボディの表現に窓やドア周りの“ふち”があります。今回も定番のシール紙を貼って中をくり抜く方法でいきます。



窓抜き後はこんな感じになります。



クハ212(上)とクモハ213(下)の“ひらき”です。



両形式とも型紙が共通なのでうっかりミスをしないように注意。トイレが改造設置されたクハ212の4位隅はシールを貼るだけで窓抜きしません。パンタ部の「微低屋根」ラインも惑わされず無視。笑



一方のクモハ213は「微低屋根」化の準備だけしておきます。青矢印部分をレール方向に約0.5mm幅のスリット状に切り抜きます。赤矢印の枕木方向は先に切ると屋根肩がうまく曲がらないので軽くカッターを入れるだけにしておき、車体が箱になった後にカットして中央で屋根をつなぎます。



次はいよいよ腰と幕板のビードを押し出します。


213系5000番代の製作(2)

2022-06-05 19:15:50 | 中央東線周辺
連結面側の妻板を作ります。外・内2枚構成とし、外板は薄手の#300スノーマットに表裏反転したビードと手すり位置をプリントして貫通路を抜いておきます(上段)。内貼りは厚手の#400スノーマットに貫通ドアの窓を開けます(下段)。両方とも軽くサーフェーサーを吹いて研磨してあります。



外板はφ0.4ドリルで手すり穴を開けた後、エバーグリーンの波板を下に敷いて鉄筆でビードを押し出します。判別しやすいように波板の溝にはスミ入れしてあり、これにビードの線を合わせて強く押し引くと表に適度な線が浮き出すもので、これまでにE127系100番代、キハ120、東急5200系などの製作でも採り入れてきました。



出来上がりはこんな感じ。分かりやすいように光線状態を吟味した「誇張写真」ですので現物はもう少しおとなしめです。



内、外板を貼り合わせ、ついでに厚紙から切り出したMc車の冷却風ダクトも貼り合わせておきます。普通は箱組みの際に妻面を下にしてコーナーをイモ付けしたりしますが、今回はビードがあってそうした置き方はそもそもできないためダクトも一緒に付けてしまいました。ならば手すりも一緒に・・・?とも考えましたが、さすがに接着や研磨の邪魔になりそうなのでやめました。



ちなみに貫通幌は手持ちのTOMIXのパーツ(型番不詳;電車用)のツメをカットしてこんな感じで取り付けられるようにしました。これも実際の取り付けは塗装後です。



車体側板との合いをチェックします。大は小を兼ねるではないですが屋根を少し深めに切り出してあるので0.5mmぐらい側板が寸足らずとなっており、これがぴったり一致するまで屋根を削って調整します。車体の方はこんな感じで粛々と組み立てていけばいいのですが・・・




さて問題は下回りです。同世代とあって211系又は205系の床下機器の多くが流用できるのですがエンドウの市場在庫が払底しています。手持ちのジャンクパーツだけでは到底まかないきれず、さりとてスクラッチするのも気が重いので、ワルイコトとは知りながら(爆)アクラスのモハ204・205キットを購入してそこから流用することにしました。いやご心配なく、車体をポイするようなことはいたしません。何とか活用します。



撮影してきた写真をペタペタ貼って即席の床下機器見取り図を作り、使えそうな機器、形が似ている機器を片っ端から両面テープで仮止めしていきます。足りないものはジャンク箱から探して追加した結果95%ぐらいは埋めることができました。205系パーツも9割以上は活用できたのでシメシメです。



コンプレッサーの除湿装置(右端)は少し形が違いますが205系のもので十分いけますね。コンプレッサー本体は気力体力があったらスクラッチしようと思いますが、サイズ感がぴったりなので、当面はこの205系の「ちょっと残念なC2000」風情のものを付けておくことにします。



主抵抗器(中央上)もモールドが迫力に欠けるのでZugの西武新101系キットの余り(下段)で置き換えようと思います。ちなみに左端で見切れているのは補助電源装置(DC-DCコンバータ)で、205系には該当する機器が無いため網が似ているモハ204の「フィルタ装置」と「補助抵抗器」を充てがってありますが、さーてどうしますかねといったところです。



で、床下を供出してしまった205系ボディの身の処し方ですが、ためしに図面を折ってみると・・・
う~んはなぢ出そう。。。笑


(7割本気です)

213系5000番台の製作(1)

2022-06-03 00:21:16 | 中央東線周辺
JR東海の213系5000番台を作っていきます。緊急プロジェクト?につき短期決戦(のつもり)です。



資料はこの雑誌と先日の実車観察でだいたい揃いました。鉄ピク掲載の形式図をもとにスケールダウンしています。



「211系顔」をなんとかラクして作りたいと思い探したところ、SHINMEI MODELさんが1/80の3Dパーツを配布されているのを発見しさっそく取り寄せました。材質は水洗いレジンでタイプ違いのライトケースや手すりなどが別パーツとして同梱されています。造詣はシャープで実車の「顔」が忠実に再現されています。これが入手できたから着工したと言っても過言ではありません。ちなみにパーミル製211系キット対応品とされています。



ペーパールーフ方式で製作するため断面図を描いて展開寸法を求めますが何度やっても肩のカーブが前面と合いません。しばし考え込んで手持ちの211系の写真などを見ているうちに「!」と気付きました。合わなくて正解なのです。



念のため実車で確認してきました。“いかり肩”の前面に合わせて雨樋カバーが取り付けられ屋根との間が空洞になっているんですね。



何度か調整した断面図を切り抜き、帯を巻いて展開寸法を求めます。



いつものようにWordでさくっと型紙を作図してプリンタ出力。Mc、Tcとも基本的には同型なので1つのデータで2枚出力しています。



腰板と幕板のビードは鉄筆による押出し工法で表現するため、裏側にこれらの位置をケガいておきます。なお今回屋根ビードはシール紙で表現してみようと考えています。



あらかじめ曲げぐせをつけるため、屋根肩と腰にカッターで軽くスジをつけてから一気に曲げます。



それにしても前面が半完成というのは気分的にラクですね。窓も抜いてないのにもう完成したつもりになっています。笑



213系5000番台の観察

2022-06-01 13:13:35 | 中央東線周辺
最近ちょっと気になっていたJR東海の213系5000番台を模型視点で観察してきました。

213系は211系の1M・2ドア版です。国鉄最末期に製造された本四備讃線向けの0番台をベースとして、JR東海が関西本線のテコ入れのために導入したのが5000番台。2011年から119系の後継として飯田線に転用され活躍中です・・・とここまでは受け売りです。

登場時は私も名古屋に赴任していた関係でわざわざ見に行った記憶はあるものの、なにせマイナー形式ゆえすっかり記憶の外になっていて、先日臨時特急「信州」を撮りに行った際のウォーミングアップで適当に撮っていた写真を見返していたらこんなショットが出てきて「ツードアイイネ!」と一気に火が着いた格好。上諏訪発伊那福岡行206Mの後追いで写真的にはアレですがすべての発端はコレ。笑



今回は雑誌やネット検索でよく分からないディティールを確認したかったので走行風景はナシと決めて駅撮りのみ。断片情報をかき集めて213系が中央本線まで出張していそうな運用を洗い出し、茅野、上諏訪、岡谷の3駅で“捕獲”する予定を立てました。ちなみによく分からないディティールとは、①床下機器のうちコンプレッサー周辺(陰で潰れてる・・・)、②連結面(M車の風洞やリブ)、③パンタ周辺(「20mm低屋根」ってどういうこと??)の3点です。

新宿発12時のあずさに乗って現地入り。最初のターゲットは上諏訪駅の電留線に居るはずの個体観察です。実は事前にGoogleマップの航空写真(2022年撮影)を見たところ見事に211系にサンドイッチされている状況(213系はクーラーが2基なので判別可)が捉えられていてげっそりしたのですが、幸いコンプレッサーがある部分だけ見えそうな感じなので途中下車決行です。



上諏訪駅には14:10に着きましたが不安は杞憂に終わり、逆光ながらH7編成(手前からクハ212-5007+クモハ213-5007)が好位置に停まっていました。



床下機器をすべて撮影します。一番見たかったコンプレッサー周辺はこんな感じでした。写真の左2/3ぐらいがコンプのようで、三菱電機製の「MH3094-C1000ML」と呼ばれる1000リットルタイプのようですが個人的にはほとんど目にしたことがありませんでした。C2000クラスが京急など私鉄で使われているようです。早々にミッション①クリアです。ちなみに右1/3が何なのかはいまだ解析できずは除湿装置のようです(2022.6.2追記)。いずれにせよ1/80市販パーツはなさそうですが、これ全体でみると気動車のエンジンが使えそうかも?(よしなさいww)



飯田線転入に際してクハ212にバリアフリー対応トイレが設置されました。窓埋め部分もどんな感じか気になっていましたが、いわゆる「1枚ペラ貼り付け」で大丈夫なようです。行先表示窓はかなり細長タイプ。



上諏訪駅では山側(飯田線基準だと山側、川側が妥当か?)の多くの情報が手に入ったのでまずはひと安心です。しかし連結面や“微低屋根”の実態は解明できず第2ステージの岡谷駅へ向かいます。

岡谷駅で折返し568M豊橋行となる編成を待ちます。飯田線用の0番線に入るものと踏んで2・3番線ホームの先端で「川側サイド狙い」を企てたのですが、列車が見えてもポイントは変わらずあれよあれよという間に2番線に到着してしまいました。0番線は朝夕専門なのでしょうか。ちなみに編成はH13(手前からクハ212-5013+クモハ213-5013)でした。



同じ「山側」サイドになりますが上諏訪では撮れなかったクモハ213側からのショット。



連結面間にカメラを突っ込んでディティールを捕獲します。ほとんど怪しいおじさん。転落防止幌は安全上重要ですがモデラー泣かせではあります。クモハには主電動機冷却用の風洞があり、補強リブも途切れている状況などが分かりました。ミッション②クリア。



転換クロスシートが並ぶ車内いいですねー。新快速117系の残り香を感じます。



改造で設置されたバリアフリー対応トイレです。大きいので反対側の座席は撤去されています。後期車(5011番以降)だからでしょうか貫通扉の窓が縦長となっています。このほか側面行先表示窓のサイズや車外スピーカー位置などに差がみられます。



213系もいつまで続くか分からないのでE353系との並びを撮っておきます。



211系顔の並び。213系は非運転台側の窓が切下げられていて車内の仕切壁も窓も大きく、国鉄からJRへの転換期が感じられるデザインです。



はるばる豊橋を目指す568Mを見送ったあとはすぐに上諏訪へ戻り、先ほど見たH7編成のホーム据付けを眺めるつもりでしたが、既に釣果もだいぶ上がっているので1本待って中部天竜からやって来る225M茅野行を捕まえて「川側」の写真を撮り、あわよくばそれに乗って上諏訪に戻る・・・というプランに変更しました。

やってきたのはH4編成(手前からクハ212-5004+クモハ213-5004)で、とりあえず全体や床下をバシバシ撮影しますがとうてい発車には間に合うはずもなく、特急料金をおごって「あずさ」で2駅移動したのでした。しかし両サイドの床下写真はすべて手に入ったので諏訪湖を遠くに眺めながらしばし至福の時間を過ごします。



上諏訪駅に着くとH7編成は既に3番線に入線済み。ここでは1番線からの遠距離ショットを活用してパンタ周辺の「微低屋根」を検証することにしました。すでに下校時間まっただ中で生徒たちの生温かい視線に耐えつつ両手を目いっぱい伸ばしてパンタ周辺を狙いますが、うーーんワカラナイ。。



しかし神は見放さなかった。10カットぐらい撮った写真を拡大したらこんなものが撮れていました。どうやらこれが段差20mmの「微低屋根」の正体のようです。生温かい視線に耐えた甲斐あってミッション③もクリアしました。



狙ったとはいえ半日でこれほど効率よく213系を狙えるとは思っていなかったので満足しつつ上諏訪を引き上げ、まだ少し時間があるので岡谷で出会ったH4編成に再会すべく茅野駅へ向かいます。折り返し待ちで2番線に停車中のH4編成をクモハ側から。岡谷では少しバタバタしていたので「川側」の床下などを改めてじっくり撮影しました。



最後にクハ212-5004の運転台。今日的な目で見ると古臭く、そして味があります。速度計の下に「ブレーキ時セラジェット使用可能」と書かれた白いテープが貼られています。セラジェットとはセラミック粒子を用いた現代版砂まき装置ですが、上り勾配での空転抑制にとどまらない使い方があるのかと知ってほほーと思いました。従来の「砂」と比べると軌道へのダメージが圧倒的に少ないとのことで、必要な時には躊躇なく使用せよということでしょう。



さて、嬉しい誤算といいますか、かくして必要な情報はすべて手に入ってしまいました。E233の練習作として着工する!と言い訳しても浮気コール不可避か・・・??



急行「伊那」を仕立てる(4)(完成)

2019-07-17 04:14:03 | 中央東線周辺
引き続き急行「伊那」を仕上げていきます。

まずはモハ164の床下の軽加工。C-1000コンプレッサー×2基を撤去して新たにC-2000を1基設置します。周囲をマスキングテープで養生し糸鋸でカット。床下を覗き込まない限り見えないのでカットした跡に特にフタなどはしません。



C-2000はエンドウの「205系・211系等用」として売られているもので、ディティールは片面にしか施されていませんが、センター置きで、ほぼシルエットしか見えなくなるためそのまま使います。併せて隣にはCMR(コンプ用抵抗器)を付けましたが、これはジャンク箱から探してきた適当な箱パーツです。



モーターはシートと同じ水色に塗って“擬態”しました。色合いの似た「フレンチブルー」を吹きましたが、単体で見るとけっこうハデな感じです。。



モーターを載せた関係でウェイト板の一部を切り取っているので、屋根裏の空いた空間に30gの板ウェイトを切り刻んで仕込みました。高速でカッ飛ばす車両でもないので重心が高くなっても特に問題はありません。



続いてクモハ165の床下ですが、こちらは水タンクを鋼製からFRP製のシルエットに更新します。まず、キャップ状にはまっているタンク本体を外します。



タンクの鏡板には、以前169系化改造時の記事で登場した「ビスキャップ」を使います。



側面のやや下側にビスキャップを取り付けるためのφ4mmの穴を開けます。また、ややテーパーが付けられているので垂直になるように削っておきます。



ビスキャップをセメダインスーパーXで両側に接着し、中間をペーパーでざっくり作ったカバーでつなぎます。このあとパテとサフで形を整えればFRP化は終了。



ということで急行「伊那」4連の完成です。



辰野・下諏訪向き制御車のクハ165-10。製品オリジナルの冷改車仕様としたため無加工ですが、クーラー、ベンチレーターなどは他車も含めて「ライトゴーストグレイ」で塗装しました。やや青みが強いですがこれは個人の趣味です。



続いてサハ153-211。こちらも製品そのままとしたので、4連にしてはMG、CP搭載過多なメタボ編成になりました。



モハ164-863。カンモーター1台車駆動の改造動力車です。ベンチレーターを2列配置とし、低屋根部の換気ルーバーを埋め込んだ新製冷房車仕様に改造。



センター置きのC-2000のシルエット。よいですね~♪



そして豊橋・大垣寄り先頭車クモハ165-140。こちらも一部のベンチレーター移設、耐寒型タイフォンへの改造、水タンクのFRP化(上述)、ホイッスル新設によって新製冷房車仕様となりました。



サボシールなどは、今後追って仕立てていく予定の、「アルプス」や「妙高」と併せて作業する予定です。


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