ボードコースで真珠

わが川口市の西隣りは戸田市であり、やはり荒川を境として東京都に接している。
この戸田市には、1964年（昭和39年）の東京オリンピックでボート競技が行われた「戸田ボートコース」がある。
そのボートコースは土手を挟んで荒川沿いに造られ、長さ約2.4キロ、幅90メートルであり、その特徴は、わが国で唯一、人工的に作られた“静水ボートコース”であることである。
主な水源は雨水であり、東京五輪以降は水の入れ替えが行われていない。完成から60年以上が経過した結果、底にヘドロがたまるなどの水質悪化を来し、“環境問題”が浮上してきた。
そこで、2006年4月からプランクトンの死骸等を食べて育つ池蝶貝を1,000個投入し、水質浄化に取り組み始めたという。池蝶貝は真珠養殖で母貝として使われる二枚貝で、成長すると１日で約200リットルの水を浄化するそうである。
2008年、数個の貝を開けてみると、立派な真珠が育っているのが確認され、商品化に関して養殖業者も「今後に期待できる」とお墨付きを与えているそうだ。時には明るい話題もある。