日本の麺類は、音を立てて豪快にすするのが正しい食べ方だといわれるし、実際にその方が旨かった。だがこうした食べ方は、気を付けないと汁が衣服に撥ねて汚しやすい。カレーうどん等、後で沁みの落ちないものは特に困る。
撥ねる原因は大別して2つあり、その1つは“箸から滑り落ちる麺”である。物が液面に落ちるのであるから当然撥ね返りがある。そしてもう1つは“すすったときに揺れ動く麺の先”である。これらは言われるまでもなく解り切ったことであり、それに気を付ければ衣服を汚さずに済むわけだ――その解決方法が以前新聞に載っていたので紹介する。
先ずは姿勢を整える。顔が丼の上にかかるくらい、少し前かがみの体勢で箸を取る。左手は丼にそっと添える。箸で麺を軽くほぐし、“1口分は3~4本。ちょっと難しいが麺の中央部分をつかむ”のがポイントだそうである。
実際の食べ方は、麺先が汁の中につかっていることを確認しながら、豪快にズズッとすする。それと同時に箸を下方に移動し、確りと麺を挟みそれを繰り返す。麺の先が見えたら、先端を挟むかレンゲですくい口元に運ぶ。要は、“麺を常に箸などで支えること”だそうだ。正常な舌と手を備えていれば難しいことではないが、これを守らない人が意外に多い。