“ウィンブルドン大会”とは、ロンドンの郊外にあるウィンブルドンで開催されるテニス大会で、正式名称は『全英テニス選手権大会』である。当然、元々はイギリス人の大会であった。しかし、外国人選手の参加を認めた結果、大会そのものは格調高く評価されるようになったが、優勝者の殆んどが外国人選手になってしまった。結果、地元イギリスの選手が活躍できなくなったのが現状である。
経済問題でも、バブル末期頃から金融自由化を目指して市場開放した結果、金融機関そのものは残ったが、国際競争力のない国内の金融機関は外国資本に淘汰されている。このように、外資系企業の参入により、国内資本の企業が押され気味な状況を、ウィンブルドン大会になぞらえて、『ウィンブルドン現象』と呼ぶようになった。テニス以外にも広く使われるようになった言葉である。
現在の相撲界の状況は正に『ウィンブルドン現象』を呈している。横綱・大関の地位に日本人大関が1人では、外に向かって日本の国技と言うのも恥ずかしい。