気が向いたとき感じたままに

皆さんの文章を読ませて戴くのは楽しいのですが、気が向いた時には自分でも・・・と思い

お釣りの人生

2009-05-05 07:01:58 | Weblog
今日の誕生日を迎えて私も74歳になった。1年後は後期高齢者である。
「もう俺の人生はお釣りのようなものだから・・・」――そんな達観したようなことを口にする人によく出会う。確かに定年までの一区切りを終えた後の人生と考えればそうかもしれない。また、それほど昔でもない「人生50年」時代と比較すれば“お釣り”と解釈するのも理解できないことはない。だが本当にお釣りの人生なのだろうか?
“お釣り”とは、“商品に支払われた対価の余剰部分を客に返す金銭”とあり、自分が商品の金額以上の金銭を差し出さなければ“お釣り”などありはしない。年金も保険料を納めねばならぬ。
「人生80年」時代を迎えて、国民は長い間一生懸命働いてきたと思う。これで皆が「人生50年」時代より30年間も長く楽しく過ごせれば言うことはない。だが現実はなかなかお釣りが返ってこないという状況だ。この期間を苦悩の30年と思っている人も多いようである。
科学・医学の進歩により人間の寿命は延びた。多くの人々が努力をした結果である。だがそれに付随して延びねばならぬ多くのものが置き去りにされ歪が生じている。何かが狂ってしまった。