一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・船戸陽子女流二段⑥+A氏の奥さん

2009-09-13 00:44:48 | LPSA金曜サロン
8月21日のLPSA金曜サロン、夕方の部は船戸陽子女流二段の担当だった。以前記したとおり、この日の船戸女流二段のいでたちは、チャイナドレス風のピンクのワンピースだった。R氏のブログによると、髪留めの花の髪飾りや耳のピアスもピンクで統一されていたとのこと。さらに画像をよく見ると、腕時計のベルトもピンクであった。
またこれも以前記したことだが、私は自身の服装には無頓着だ。だから女流棋士にもそれは求めない。しかしそれなりに気合を入れてくる女流棋士がいれば、私は喜んで観賞させていただく。それがエチケットでもあると思うからだ。今回の船戸女流二段は、昼の用事でその服装をする必要があったのかもしれないが、ピンク一色の衣装はすこぶる艶やかで、目を奪われっぱなしだった。
船戸女流二段は、例によって6面指し。私は凹字型に設置されたテーブルの、左奥に座った。
指導対局開始。私はこの5日前に石垣島から帰京したが、船戸女流二段のチャイナドレス(と言い切ってしまおう)がアジアンテイストなので、まだ八重山諸島にいるような錯覚を覚えた。
この日は扇子サイン勝負であった。過去のサイン勝負2回は私が陽動三間飛車を採り、船戸女流二段得意の居飛車穴熊を封じたのが功を奏して、いずれも幸いしている。通常対局の相居飛車戦は3局あるが、いずれも完敗。船戸女流二段の猛烈な攻めにこちらが一方的に潰されてた形だ。
今回はノーマルな三間飛車で、船戸女流二段に挑むことにした。
船戸女流二段の指し手はいつものように早い。1手指し、サッとその場を去るが、つい船戸女流二段の容姿を追っかけてしまう。そのうしろ姿は、カラダの線が何というかこう、腰のあたりでキュッと…あっ……私の対面(右奥)で指していた、将棋ペンクラブ幹事・A氏の奥さんが、私の視界に入ってきた。
奥さんは、金曜サロンはもちろん、将棋道場は初体験だった。先日居酒屋でご一緒したのだが、そのときとは一変して、真剣な表情である。
そうだった…と思う。私は将棋の鍛錬に来ているのだ。船戸女流二段を観賞している場合ではない。奥さんを見習わなければならない。
私は反省して、局面を考える。上手の作戦はやはり穴熊だった。船戸女流二段が戻り、ビシッと指す。その腕が白い。またもや、船戸女流二段を追いかけてしまう。
コカコーラの190ml瓶は、女性のカラダの線を模したものだと聞いたことがあるが、きょうの船戸女流二段はまさに……うわっ! 奥さんがまたも視界に入ってくる。その表情は真剣というより深刻だ。局面を窺うと、下手の飛車がしっかり成り込んでいるようである。教わった定跡どおり指して優勢なのに、なぜにそんな暗い表情なのか。もっと気楽に指せばいいのにと思う。
しかし私も奥さんに「あなたもちゃんと指しなさい!」と諭されているような気がして、また視線を盤面に戻す。
船戸女流二段がビシッと指す。やっぱりその服装に目がいってしまう。指導対局の多面指しは、上手に考慮時間がないのが下手にいいハンデになっているのだが、今回は例外である。なぜなら私も自分が指したあとは、さして局面を考えず船戸女流二段を観賞しているからだ。
あらためて書くが、ノースリーブのチャイナドレスである。衣服は膝上までだが、わずかながら側面にはスリットが入っている。
もし足首まで衣服があり、そこからズズズズーッとスリットが入っていると、よけいセクシーなのにな、と思う。そのほうが脚の露出度は低いのだが、男の心理は不思議なもので、そちらのほうがそそられるのだ。しかしこれも何とも…ウワワッ!! お、奥さん、なんでそんな表情をしてるんだ! コチコチにしゃちほこばって、いまにも泣き出しそうではないか!
盤面は、飛車に続いて角も成り込んで、勝勢に近い。船戸女流二段は初心者講習に定評がある。下手がふつうに指せばうまく負けてくれるはずだが、奥さんは息をするのも忘れているかのようだ。なんだか萎えてしまう。勘弁してほしい。
船戸女流二段が戻ってきて、1手指す。そっと見上げてみる。船戸女流二段の視線は鋭い。なんだか女王様に責められているようだ。この感じ、嫌いではない。そうか、相居飛車戦では、攻め合ってしまうからいけないのだ。船戸女流二段の責めを有難く味わう、このくらいの気構えのほうがいいのかもしれない。
また船戸女流二段が半周する。このプロポーション、コーラの瓶というか、ボウリングのピンというか…。しかしここまで来ると、A氏の奥さんが気になってしようがない。
こっそり視線を注ぐと、ついに、この世の終わりのような顔になっていた。完全に固まってしまっている。別にイノチを取られるわけでなし、そんなにマイナスのオーラを発しなくてもいいではないか。
やっぱりサロンに誘ったのはムリだったのかな、と反省しつつ、自分の将棋を見てみる。すると意外なことに、船戸女流二段の責めが息切れしているように思えた。自分の中でムラムラしていたものが、A氏の奥さんの必死の形相で鎮まってしまい、攻め合わないで冷静に受けたことが、結果的に功を奏したようだ。
最後は☖3一飛に☗3二金と打って、船戸女流二段の投了となった。
「あれえ? おかしいなあ。一公さんにはこのところ勝率が良かったはずなのに。悔しい~!」
まあ指導対局なんだから、下手に星を譲ってもいいではないか。
今回は、チャイナドレスの船戸先生からサインをいただきたいという私の執念と、A氏の奥さんの真摯な対局姿勢に胸を打たれて、幸いした。奥さんには感謝の一語である。また時間に余裕ができたら、奥さんの棋力向上に非協力的なご主人と一緒に、駒込サロンに遊びに行ってほしいと思う。
そして何といっても今回は、船戸女流二段の衣装とサービス精神に、あらためて感謝する次第であった。
コメント (10)
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