一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

重傷じゃなくて、かすり傷

2009-09-27 03:15:48 | 旅行記・北海道編
24日(木)は夜の11時20分に札幌駅前のネットカフェに入った。今回の旅行では3回目の入店である。この日などは、朝に続いて2度目である。それでいてちょっと懐かしい気がするのは、相当ネットカフェにお世話になったからだろう。
この日も「ナイト6時間パック」をオーダーする。1,200円だが、200円の割引券があるので、実質1,000円だ。ちなみに6時間を超えると自動的に「9時間パック」となって、2,000円(実際は割引で1,800円)となる。
まずはブログの更新である。ナイトパックだから時間を気にせず、コメントの返信や本文を書く。それらが一段落すると、時間は午前3時すぎになっていた。
もうシャワーを浴びる気力もない。そのままシートを倒し仮眠に入るが、部屋が煌々と明るいので、眠れない。
仕方がないからまた起き上がって、パソコンを起動させる。そうして自ブログを推敲しようとしたら、画面の文字が三重四重に見えて、これはいかんと思った。ふだんの旅行なら、いやふだんの生活でも、この時間は夢の中である。
まったく今回の旅行は、ネットカフェに入り浸ってばかりで、かなり異常だった。
4時を過ぎる。ここまできたら、あと1時間少しを我慢して、午前5時20分少し前に店を出ちゃおうかと思う。昨夜は午後11時20分の入店だったから、ナイトパックが適用される午前7時までは、最長でも7時間40分しかいられない。それで9時間ぶんの料金を払わされるのがシャクなのである。
5時10分、意を決して店を出る。料金はもちろん「ナイト6時間パック」に割引料金が適用されて、1,000円だった。
とりあえず札幌駅に向かう。構内の開放時間は5時15分からと書いてある。腕時計を見ると5時14分で、すでに中に入れた。
ガランとした札幌駅の構内を、初めて見た。物事はなんでもいいほうに考える。夜更かししたお陰で宿泊費も安くついた。札幌駅の珍しい光景を見ることもできた。いい経験をした、と思うことにする。
さてこの日25日(金)は、東京へ帰る日である。ウチは自営業だし、いまは暇なので、当然27日(日)までいてもよいわけだ。
しかし18日のLPSA金曜サロン・夕方の担当が、船戸陽子女流二段であった。
北海道へはいつでも行けるが、船戸女流二段との指導対局は、月に一度しかない。私は熟慮の末、旅行前に「前割7」で、25日・新千歳空港12時30分発ANA62便のチケットを取ったのだった。
これが中倉宏美女流二段だったら微妙だった。27日までいたかもしれない。つまりファンランキング1位の価値は、それほどのものである。だから1位に選ばれた女性は、気持ちのわるい将棋オタクにからまれて、かわいそうなのだ。
…と、ここまで読んだ読者の中には、もし25日に船戸さんが急遽休みになったらどうしてたんだ、と思う方もあろう。しかし9月10日のエントリ「代わりは利かない」でも述べたように、私は女流棋士の代打は認めないのである。こちらはその女流棋士に焦点を合わせて、旅行の日程を決めているからだ。だから当日、船戸女流二段が休むなどということは、これっぽっちも考えなかった。
問題は昼までの時間をどう過ごすかである。平日だから旅行貯金ができるが、あまり近場でしたくない。できるだけ遠くでしたい。
時間はたっぷりあるので納得がいくまで検討した結果、室蘭を往復することにした。これなら7時ちょうど発の「特急スーパー北斗2号」に乗れば、乗り継ぎで8時29分に室蘭駅に着く。
JR北海道は、室蘭本線・支線の終点である室蘭駅の数百メートルを廃線にし、12年前に新しい駅舎を造った。旧駅舎はそのままの場所に残され、平成11年には有形文化財に指定された。鉄道マニアとしては、一度は訪れておきたい聖地なのである。その途中には郵便局もあり、私にとってはまことに都合がよい。
さらに室蘭は、先ごろ首相に任命された鳩山由紀夫氏の出身地らしい。これは船戸陽子女流二段が教えてくれたものだ。ここでも船戸女流二段の名前が出てくるのか、という感じである。
旧室蘭駅舎は、有形文化財指定だけあって、圧倒的な威容を誇っていた。いちおう観光案内所も兼ねているが、実質的には、ずいぶん豪華なバスの待合室となっている。
帰りも滞りなく接続が完了し、11時31分、新千歳空港に着いた。
前回も書いたが、今回の北海道旅行は、かなり異色だった。列車の中で窓外の風景を堪能しているか、ネットカフェでブログを更新しているか、のどちらかだった。
ただ、北海道の雄大さをあらためて感じたのもまた事実である。大都市の景色は東京のそれと変わらなかったが、ちょっと田舎へ入れば、美しい風景が広がっていた。
実は私は最近、ちょっと傷ついたことがあった。これはもちろん、自業自得の類である。すべて自分がわるい。しかし長崎県の喫茶店のマスターの言葉を借りれば、こんなもの、「かすり傷」ということになる。
5cmを測るのに5cmの物差しを使えば、「5cmは長い」。しかし1mの物差しで5cmを測れば、「5cmは短い」ということになる。
人生も同じである。心の中に重傷を負ったとしても、人間の長い長いながーい一生から見れば、そんなものは、ただのかすり傷にすぎない。2、3日経てばすぐに治ってしまう種類のものなのだ。
それを改めて気付かせてくれた北海道には、大いに感謝したい。次は雪まつりの季節やね。待ってろよ北海道!
私は心の中でそう吠えつつ、検査場のゲートをくぐったのだった。

今回の旅行貯金:
21-09-24 余市郵便局
21-09-25 室蘭郵便局

宿泊の種別:
ビジネスホテル 2泊
ネットカフェ 4泊
コメント (2)
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