一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

釜めしをよそってもらう女流棋士は誰がいいか

2009-09-22 00:40:21 | 旅行記・北海道編
北海道旅行初日の19日(土)は、昼すぎに家を出て、東北新幹線と津軽海峡線を乗り継ぎ、函館に入った。ここ数年は新千歳空港からの北海道入りばかりだったから、このルートでの北海道入りは久しぶりだ。しかし函館駅前の雰囲気が変わっており、あ然とした。
定跡どおり函館山に登り、夜景を観賞する。しかしどことなく、景色が「硬い」感じがした。その正体は、下山して駅まで歩く道すがらで分かった。
ビルがやたら多くなったのだ。ロープウェイ入口の十字街電停から駅前まで、高いビルが林立している。この光がタテに伸び、「点」から「線」になったため、硬い印象を受けたらしい。
数年前に訪れたときに入った天麩羅屋は店を閉め、空き家になっていた。これは函館に限らず、各地で経験していることだ。旅行をしていて、さみしさを実感する瞬間である。

20日(日)は、駅前の朝市をぶらぶらしたあと、特急スーパー北斗3号に乗り、一路札幌に向かう。今回の旅行は実質丸6日である。北海道は札幌から先がよい。一刻も早く札幌入りしたい。
前日に夜更かしをしたので、車内で熟睡する。と、隣の席の男性に脚が触れたようで、起きた。そのとたん、「次は洞爺」と車内アナウンスがあり、「あ」と、下車することにした。
カンタンに旅程を変更する――。ここがひとり旅の最大の利点である。
実は18日(金)の将棋ペンクラブ大賞贈呈式のとき、船戸陽子女流二段から、洞爺湖にある某有名ホテルの食事が美味しい、という情報をもらっていたのだ。
その日の深夜帰宅した私は、早速そのホテルを調べたのだが、ランチを提供する日が決まっているうえ、その値段が私の想像をはるかに超えていた。
しかし、夜の楽しみの「コーヒーとケーキのセット」を昼にまわすのも悪くはない。船戸女流二段がせっかく勧めてくれたのである。ホテルの雰囲気だけ味わっていくのもいいではないか。それで、急遽洞爺で下車することにしたのだ。
駅前から路線バスに乗って洞爺湖温泉に着く。しかし、目指すホテルが見当たらない。怪訝に思い、近くのホテルで訊いてみると、そこはここから自動車で15分もかかる丘の上にあるという。しかもバス路線もないという。
旅では公共交通機関しか使わない、というのが私のポリシーなので、そのホテルはあっさりパスし、昼近くになったので、とある釜めし屋に入る。
私が食堂に入る基準のひとつに、「表の看板に、メニューの値段が記載されているか否か」がある。潔く「見積もり」を提示している店に、優先的に入るわけだ。
まだ旅行の序盤なので、いちばん高い釜めしを注文し、それが運ばれてきた。しかし釜めしというのは、自分で茶碗にご飯をつぐのはわびしいものである。
いつだったか、北海道の南東にある標津の焼肉店で、ランチの焼肉定食を注文し、生肉をひとりでジュージュー焼いたときも、虚しいものがあった。
それはさておき、では私のファンランキング3強の中で、釜めしをよそう姿がぴったりハマっているのは誰かと考えてみたら、真っ先に浮かんだのが中倉宏美女流二段であった。
やはりあの和風の顔だちは、和食にあう。
ちなみに船戸女流二段は、ローストビーフを切り分けて、デミグラスソースをかける姿がよく似合う。山口恵梨子女流1級は、ファミレスで「パッションジュースもってきたよー」と言う姿が似合いそうな気がする。
釜めしは美味だった。腹もくちて、温泉に入ることにする。あるホテルの立ち寄り湯に行くと、石高澄恵女流二段にそっくりな姐さんが、「券はお持ちですか?」と言う。
聞けば、今日は洞爺湖を半周(1周)するツーデーマーチという催しがあり、その参加者のために温泉を開放しているのだった。ただ一般客も入れそうなので壱万円札を出すと、おつりがないという。しかしこちらも帰りのバス代のため、もう小銭は使えない。
するとその姐さんが笑いながら、どうぞ、と手を横に出す。こっそり入れてあげます、というわけだ。その心意気に恐れ入った私は、小銭をかき集め、もちろん有料で、昼間の温泉を満喫したのだった。
しかし帰りのバスはかようなわけで、ツーデーマーチとやらに参加した年配の方々で満員となった。添乗員のように場を仕切っている方がいたから、てっきり貸切バスに乗るものと思っていたが、違った。この人、私が恐れるタイプの、ただのおしゃべり好きのオッサンだったのだ。
バスの中では、みんなが歩き疲れてゲンナリしているのに、オッサンはひとりでしゃべりまくる。聞きたくなくても自然と声が入ってきてしまうのだが、この人、相当各地を旅行しているようで、あちこちの地名が出る。しかしそんなもの、他人が聞いたっておもしろくもなんともないのだ。ただこのオッサン、ひとつだけいいことを言った。
「オトコが美味いと言ったものは、たいてい美味い」
異論はもちろんあろうが、男性はお世辞を言わない。だからオトコが美味いと言ったら、美味いのだ。ともあれその一言で、私はこのオッサンのおしゃべりを容認した。
けっきょく札幌には15時43分に着いた。その足で、今度は16時20分発の札沼線(学園都市線)に乗る。この線、途中の北海道医療大学駅までは頻繁に列車が出ているのだが、その先は完全なローカル線で、終点の新十津川駅は1日3本の発着という、完全なローカル線と化す。
いまでは少なくなった、文字どおりのローカル線であるこの路線が私は好きで、北海道に来て、時間に余裕があれば乗ることにしているのだ。
北海道医療大学駅のひとつ前の石狩当別駅で列車を乗り換え、18時56分、終点の新十津川駅に着いた。乗客は私を含めて4名。全員が鉄道マニアであった。
コメント (11)
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