一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「会長の提案」を読んで

2009-09-12 00:44:39 | 将棋雑考
9月9日、日本将棋連盟サイトのトップページに、「(米長邦雄)会長の提案」と題する文章が掲載された。一読したが、要するに将棋連盟と日本女子プロ将棋協会(LPSA)は仲良くやっていきましょう、相手の団体を誹謗中傷したり、足を引っ張ったりする者がいれば、トップが責任をもって注意しましょう、という内容だと理解した。少なくとも私の読解力では、そう取れた。
米長会長の言わんとすることはよく分かる。しかし私が思うに、いままでさんざん嫌がらせをしてきたのは、日本将棋連盟の一部の人間ではなかったか。
たとえば昨年2月の倉敷藤花戦でのイベントでは、女流棋士会が、「LPSA棋士とは距離を置きたい」として、出席メンバーまで決まっていたLPSA棋士を排斥した。
今年2月の朝日杯将棋オープン戦決勝の聞き手には、朝日新聞社からLPSA所属の船戸陽子女流二段が指名されたにもかかわらず、その数日後に、女流棋士会の伊藤明日香・現女流初段に交代するという不可解なできごとがあった。
朝日新聞の担当者が、女流棋士会とLPSAの所属棋士を混同していたということはあり得ないから(もしそうだとしたら、その担当者は将棋担当を辞めるべきだ)、LPSA棋士の聞き手は困ると、日本将棋連盟からクレームが入った可能性が高い。
そのクレームを受けて、はいそうですか、とカンタンに聞き手を代える朝日も朝日だが、LPSAに一切仕事はやらん、という連盟の態度に憤りを覚える。
船戸女流二段が聞き手を降ろされたときの私の怒り、これがどんなものだったかは、このブログの読者ならよくお分かりであろう。
「会長の提案」では「誹謗中傷や足を引っ張る者がいたら教えてください」とあるが、これ、連盟内部で捜査することはできないのだろうか。
たとえば棋士総会。私は出席したことが当然ないが、総会ではさまざまな議論が飛び交うはずだ。その中にLPSAのテーマはなかったのだろうか。
私がもしプロ棋士で、LPSAの存在を疎ましく思っていたら、その機会に、
「生意気なLPSAをみんなで滅ぼそうではありませんか!」
ぐらいの発言をする。いや実際、そういった発言をした棋士がいるかもしれない。その棋士に、理事会は釘を刺したのだろうか。
LPSAは毎年「日めくり詰め将棋カレンダー」を発売している。何百人という出題者に混じって、ありがたいことにプロ棋士もおり、今年は日本将棋連盟23棋士が名を連ねた。
ところが今年は、わずか5棋士である。そのうちふたりはLPSA棋士関係のご主人だから、連盟からは実質3棋士の出題、ということになる。
これも、「『敵』の発売するカレンダーに詰将棋を寄稿することはまかりならん」と、理事会が圧力をかけたとは考えられないか。
最近では、LPSA公開対局の大盤解説でも、LPSA関係棋士だけが解説を行っている印象がある。これ、将棋連盟がLPSAからの解説要請を拒否しているということはあるまいか?
女流棋士会のホームページを開けば、トップページに「女流棋士分裂問題について」のタイトルがでかでかと掲載されている。連盟、女流棋士会とも、本当にLPSAと仲良くなる気があるのか、と勘繰りたくなる。
両方の団体が足を引っ張り合うのはマイナスにしかならないが、あらたまって仲良くする必要もないのではないか。お互いが干渉せず、わが道を進めばいいと思う。それで将棋ファンは、お気に入りの団体のほうを応援すればよい。
私は日本将棋連盟とLPSAがいがみ合い、共倒れになることを恐れる。LPSAに何かあって、船戸女流二段や中倉宏美女流二段にお会いする楽しみ…じゃなかった、金曜サロンで将棋を指す楽しみが奪われることは、いまの私にとって死活問題である。
だから両団体は冷戦状態でも構わないと、私は考えている。
コメント (13)
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