平成21年(2009)にユネスコ無形文化遺産に登録された「石州半紙」(島根県)に、国指定無形重要文化財(保持団体認定)である「本美濃紙」(岐阜県)、
「細川紙」(埼玉県)を追加して拡張登録を申請していた「和紙:日本の手漉和紙技術」が、昨2014年11月27日に登録決定しました。
それから約2か月半を経過した昨2月11日、「細川紙」の生産地である小川町・東秩父村・小川町教育委員会・東秩父村教育委員会主催による
『ユネスコ無形文化遺産登録記念事業 細川紙の世界』がリリックおがわ(小川町民会館)で開催されましたので聴講してきました。
会場のリリックおがわ(小川町民会館)です。
開会30分程前に会場入りしましたが、すでに一般席は満員状態でした。
オープニングは、地元埼玉県立小川高等学校音楽部の皆さんによるコーラスでした。
続いて、平成25年度文化庁工芸技術記録映画「細 川 紙」の上映です。
楮きり(かずきり)-楮かしき・楮むきー楮ひきー楮煮ー楮さらしー楮打ちーとろ叩きー紙漉きー紙干しー紙そろえといった
製品になるまでの一連の工程やその他が記録されたもので、1枚の和紙が出来るまでがいかに大変かを教えていただきました。
上記写真は、映画の一コマで「楮さらし」の模様です。
この工程や、細川紙(和紙)についてここに詳しくは書けませんので省略します。
こうした催しには付きもののお偉方さんたちの登壇と挨拶です。
記念講演会 「期待される細川紙」
講師は、文化庁主任文化財調査官 近藤都代子氏
1 「ユネスコ無形文化遺産」について
2 「重要無形文化財」について
3 重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産「細川紙」について
を詳しく説明していただきました。
この手漉き和紙の技術がユネスコ無形文化遺産に登録決定された際、他の和紙の産地から「なぜうちは登録
されないの」、「私の産地には人間国宝がいるのに」等といったコメントがありましたが、なぜ、「石州半紙」、
「本美濃紙」、「細川紙」以外が対象になっていなかった理由についての説明などもあり、ひとり納得。
数多い説明のスライド画像の中の1枚です。
記念講演の後、細川紙技術者協会の会員・準会員・研修生等が紹介されました。
鷹野会長の「和紙の卒業証書」の話は大変良かったです。
休憩をはさんだあとのアトラクションは、
和紙を着る 紙子(かみこ)
と題して、細川紙で作った紙子ファッションショーが行われ、ホール上段からモデルさんが通路を降りて
きて登壇し、また戻るといった方法で、先達を務めたのは地元小川町立欅中学校吹奏楽部の生徒さん。
ショーの間の音楽演奏は、同じく町立西中学校吹奏楽部(男性モデルの際)、
町立東中学校吹奏楽部(女性モデルの際)の生徒さんたちが務めてくれました。
以上でこの催しは終わりになりましたが、映画と講演は非常に勉強になりました。
今回いただいた資料です。
聴講日:2015年(平成27年)2月11日(水)