山歩き、渓歩き

以前の山のぼり、渓流釣りなどのふりかえりと最近の風景を織り交ぜて。

中ノ川本谷を経て鋸岳  98    1

2006-09-17 14:28:01 | 登山
  中ノ川本谷を経て鋸岳  98    1
画像はホームページにて
 「甲斐の山旅、甲州百山」と言う本の自剥山のところで奈良田越について述べてある。「越と言うのは峠のこと、表と裏があり、峠名には裏の名を冠するという」(柳田国男の説)
 それ以来、この奈良田越だけでなく「…越」に興味をもっていた。奈良田越は4年前に、この夏は三峰の源流、大横川の井川越を大井川に出た。他にも越と言う字がつく峠には野呂川越、三峰川越、所の沢越、天城越?がある。

 そして越でなく乗越だが、ここに中ノ川乗越がある。甲斐駒、仙丈ヶ岳の地図見ていたらこの文字が目に入ってきた。
 もっとも、信州戸台の方からの熊穴沢を詰めこの中ノ川乗越に出るルートはあるが、中ノ川の方からは不明だ。しかしこの中ノ川を詰めればなんとか甲斐駒と鋸の中間点にでられそうだ。

 この中ノ川は以前、釣りで下部の40メートル滝、50メートル滝を越えたことがある。だが最近出た山梨百名山の本には鋸岳はザイルワークにたけたスペシャリスト向きと書いてあった。
 やはり無理かとあきらめかけていたが、鋸岳へ登った人の話や顔ぶれからみると自分でも何とかなりそうな気もしていた。さらに秋山さんたち「嶺明クラブ」の人がこのルートで登ったと聞いて、詳細な情報を入手する。これが後々、おおいに役立ち、ほんとうに助かった。
 
 9月5日早朝 天気は上々、ザツクは先に置いてあるので中ノ川林道を空身で歩く。都合よく後方から車が来る。ちゃっかりと便乗。ツガタケ取りの人だ。もうこの時期になると尻に火がつくと。

 6時50分 林道終点を出発、すぐにカメラを置き忘れたことに気が付き引き返す。
 あらためて中ノ川の遡行を開始する。しばらくして二俣、左は大岩沢、本谷はすべりやすいナメ滝が続く。七ツ釜手前の釜無の8メートル滝は右岸を巻く。

 この滝上で左岸に渡るように言われていたが、右岸には明瞭な踏み跡もありこちらを高巻く。途中七ツ釜の眺めがすばらしい所があったが、断崖絶壁で巻けない。

 やはりダメで元の滝まで引き返す。言われたとおりにすれば良かったのに、かなりのロスタイムだ。