山歩き、渓歩き

以前の山のぼり、渓流釣りなどのふりかえりと最近の風景を織り交ぜて。

奈良田越、大井川源流釣行 12

2006-05-30 21:17:12 | 渓流釣り
 
奈良田越、大井川源流釣行 12

彼らが下るのをやり過ごし、昼飯とする。まずビールを河の流れで冷やす。この間にお湯をわかすが、風もあり、時間がかかるが待ちきれなくてビールを一口、ブハッ 、うまい。

ソーメンを二把、少し追い水もして、軟らかめにゆで、すぐさま、タモにあけ、流れでさらす。

わさびをたっぷり効かせたつゆ、冷えたそうめん、ズズーッ、ズズーッ、一息ついたところで、いつものスナップ写真だ。

 昼飯を終え、先へ行きたい気持ちを押さえもときた道を引き返す。
 少しピッチをあげる。四人組が下って、かれこれ一時間、追い越せるかな、少し下ると、石のうえに濡れた足跡、まだそう遠くない、と先を急ぐ。

 間もなく四人組をとらえ、「お先に」と声をかけ追い抜いていく、「いつも憤れておられるから速いですね」と重い荷物を背に、足は登山靴の下にわらじスタイルの彼らは、恨めしそうに言う。

軽い優越感に浸りながらどんどん下っていく。

奈良田越、大井川源流釣行 12

2006-05-28 20:51:34 | 渓流釣り
   奈良田越、大井川源流釣行 12

その後も毛バリ釣り。今度は、チャラ瀬でやってみるが、毛バリが十分に見えない、ガバッ、遅い、そのうち、風も出てきた。やはりにわかテンカラ師には、少し難しいか、また餌に変える。

それにしても良く釣れる、退屈しない程度以上だ。こんな所で時間を費やすと、大滝まで行き着けない、と雑な釣りで上流をめざすがアタリがあると、つい遡行は遅くなる。

 もう一時もすぎリミット近くなってきたがまだ滝はあらわれない。上流の山の方を見上げると、遠くに赤い屋根の小屋が見える。農鳥小屋かな。

 昼飯を食べる時間を考えるともうこの辺が限界かと思っていると、上流から大きなザックを担いだカラフルな四人組が下ってくる。

向こうも少し驚いたようだが、釣り人のようだと気付いたらしく「ヤマメですか、」と声をかけてくる。

ヤマメ?ははあん、彼らは渓流釣りに関しては、素人だな。こんな所にヤマメなんかいない。

釣り人でないので少しほっとする。

奈良田越、大井川源流釣行 11

2006-05-26 19:48:34 | 渓流釣り
   奈良田越、大井川源流釣行 11


大きめの淵、やや浅く、大小のイワナがはっきりと見える。見える魚はつれない、と言うがミミズ2匹掛け、ユラーと流すと、中型のイワナがスーと寄ってきて、身をくねらせて餌をあさる。クッとあわせると、確かな抵抗感、一気に引き抜く。

 他にも岩陰から身をだしているイワナ、ときどき跳ねるイワナ、足元の浅瀬まで近づいてくるイワナ。いっぱいいる。

 ヨシッ、毛バリだと数歩後退りして仕掛けを毛バリに変える。

5・4竿にテンカララインを付け、適当に振込む。毛バリはどこ?と捜す間もなくパシャッとイワナが跳ねる。遅い。振込まないで、竿を立てて垂れ下げてみる。スーツとイワナがくる、パッとあわせる。あれ・・、かかった?

 イトモ、といえる程簡単に。今までテンカラを試みては、難しいと思っていたのに、初めて自分の意志で、こちらあわせで釣れた。また同じようにそっと垂れ下げる、スーツと来る、あわせる、クックッと反転低抗するイワナ、少し小さい。

 もう少し大きいのをと、今度は少し遠くへ振込む、黒い影が近づく、パッとあわせる、今度はグーツと重たい、一気に抜けなく、水面を跳ねる、9寸ぐらいだろうか、つい餌の感じで、慎重になる。

奈良田越、大井川源流釣行 10

2006-05-25 18:40:48 | 渓流釣り
   
    奈良田越、大井川源流釣行 10

  左手に流れ込む小沢を過ぎると流れが少しカーブ、ここからまた落ち込みが始まる。
 アタリも出て少し型も良くなる。
しばらく釣り上がると、ますます魚影は濃くなる。

無造作に歩くと、足元から黒い影が走る。やっと核心に入ったようだ。

険悪な所もなく、ひたすら釣りに専念できる。

奈良田越、大井川源流釣行 9

2006-05-22 19:59:56 | 渓流釣り
   奈良田越、大井川源流釣行 9


しばらく行くと林道は終わり、右岸の踏み後をたどり上流へ。
ここからは工事の影響もまったくなし、だが、広河原まではアタリも型もいまいちと言ったところだ。

 広河原では今までの落ち込みは消え、平川となる。
砂利に埋もれ崩れたかつての工事の廃屋や、赤さびたウィンチ、いつ頃の物だろう。カメラにパチリと納める。

 池の沢あたりまではほとんど釣りにならない。池の沢には左岸に小屋があるはずだが、林のなかだろうか、見当らない。

奈良田越、大井川源流釣行 8

2006-05-21 08:12:02 | 渓流釣り
 奈良田越、大井川源流釣行 8
大白剥沢の手前に奈良田越からの降り口の標識があったが、イバラでほとんど跡形もない。
まだ最近造られたばかりの取水堰堤をすぎると、やっと水も澄み、工事の影響もなくなってきたようだ。 

 深い落ち込みが続き、つい竿をだしたくなる誘惑にかられるが、今日の目的は東俣大滝だ。

先は長いと林道を飛ばす・・が、すぐに腰砕け、大きな淵には負けて、河原に下り、さっそく竿をだす。

すぐアタリ、あわせるがあまり大きくない。七寸大だが、とりあえず初物だ。

次もアタリあるがまた一段と小さく、リリースする。その後も来るが小さい。竿をたたみ又林道へ戻る。

奈良田越、大井川源流釣行 7

2006-05-20 15:15:27 | 渓流釣り
  奈良田越、大井川源流釣行 7

 四時ごろ目が覚めた。外はまだ暗いが天気はよさそう。

「よし、今日は一日釣りだ。気合いを入れていこう」

朝のパンを少し食べ、スープで流し込む。後は途中で食べよう。テントを撤収し、サブザックに昼飯の材料、そうめん、ビールを入れ、メインザックは林のなかに入れ葉っぱをかけておく。

もう夜も白んできたが、薄青い空は真上のみ。

流れの音を聞きながら朝のすずしい林道を飛ばす。

工事の資財置場を過ぎ、自家発電機の音を後にしばらく足を稼ぐ。こんな山奥まで開発の手がのびているのか。

奈良田越、大井川源流釣行 6

2006-05-17 19:03:41 | 渓流釣り
 奈良田越、大井川源流釣行 6

 大井川の流れの音がやっと近づき水面が見え隠れする。

脇から、チョロチョロと沢水が流れ落ちている。ザックを振り落とすように道端におき、そのまま水に口をつけ一息にすすり飲む。
うまい!その後は手ですくい何度も飲む。

ふと、時計を見るともう四時。とりあえずテン場を探す。少し薄暗いが、河原から一段高い林のなかに決め、テントをはる。

 まず釣りだ。竿を持ち、河原に出る。水の色がなんとなく灰色で、ササ濁りと言うよりセメントの濁りのようだ、嫌な予感。小さな落ち込みから淵尻までゆっくりと流す。幾度か流すが、アタリなし。

 場所を変え下流へ、小さなアタリだがそれっきり。小一時間もやっただろうか。もう暗くなりだした。一度のアタリのみで後は音沙汰なし。「もう今日はやめた。早めに夕飯の支度をして、明日に備えよう」

テン場にもどり、お湯をわかす。本日は山の幸もなく、酒の肴も寂しい。一気にアルコールを飲み、シュラフカバーにもぐり込む。

 何となく足元が冷えて目が覚める。星明かりだ。明日の豊漁を期待し、またアルコールを追加して眠る

奈良田越、大井川源流釣行 5

2006-05-14 20:00:25 | 渓流釣り
 奈良田越、大井川源流釣行 5

 二時半、急に開けたところへ出る。強い日差し、ムッとする暑さ、生い茂る白い草花、二重山稜の奈良田越である。ザックを降ろして本当の奈良田への下山路はどこかと、林の中を探すが、はっきりとしたものはない。

 再び大井川めざし、少し行くと、広い砂利道となる。永く使用されていないとのことだったが、最近も使用された形跡がある。やや古い標識を見ると、平成二年から四年まで工事をしていたことになるが、今も使われているようだ。

 標識に従い、なるべく近道をと草むした、古い工事林道を下る。遮るものもなく、夏の日ざしがきつい。イバラや丈の高い草の中を、かなり下ったところで、道は急に行き止まりになる。その先は崖で、とても降りられそうにない。仕方なく、またもときた道を引き返す。

 標識が間違っているようだ、四十分ものロスタイム、迷惑なことだ。やむをえず、少し遠いがジグザグのまだ使用中らしい工事林道をくだる。

 下りなのに、かなり長く感じる。水筒の水も、ほぼ底をついたようだ。あと少しでタラフク飲めると思うが、なかなか着かない。

奈良田越、大井川源流釣行 4

2006-05-13 20:04:38 | 渓流釣り
  奈良田越、大井川源流釣行 4

「あんな道はほとんど廃道だ、やめとけやめとけ、転付越えで行けばいいじゃないか...」
  某記の南アルプス小屋の主人の話がふとよぎる。

 もう十一時なのに、向かいの山の高さからみるとまだ半分も登っていない。水筒の水も、徐々に少なくなってくる。しだいに、チビリチビリと一回量も減らし、間隔も広げざるをえない。気を取り直し少し登るがすぐダウン。昼飯のイナリも喉につかえる。

 かえってのどが乾くかと思ったが、5%のアルコールと言うことは、残り95%が水だろうと、変な計算をしてついに缶ビールも飲む。とくに眠気も催さず、ビールを飲んだ影響もほとんどなく、その後はやや快調に登りだす。

 相変わらず道はなく、小枝や、笹をつかみながらの藪コギがつづく。尾根が近いと、ぬか喜びさせるような所もあるが、まだ、上は見えない。10メートル登れば横になる、また登る、又休む。ダウン寸前。このルートをとったことを、本格的に悔やみだす。

帰路は転付か?内河内づたいに新倉へ出ても、それから奈良田までどうする・…?次第に、思考能力も落ちてくる。とにかくこのルートはもうとりたくない。

 もう2時だ、9時間も登っている。後で、友人に話したら、そういうのを「遭難」と言うのだと言っていたが。

また少し登り、振返りながら、遠く、やや横下を眺めると、赤茶けた林道らしきものが見える。なんだ道を間違えたのか、いやいや、もともと間違える道もないのだ、少し北へ行き過ぎ、白剥山へ向かって登っていたのだ。

 少し登ると、古い登山道に出くわす。ここからは低いカラマツ林の中を急ぎ足で、奈良田越へ向う。