"LOVE TRIP"が主題歌ということで、いちおう録画してみた。で、どうせ録画したのだからと、暇をみて飛ばし見してみたら、これが思いのほかハマってしまった。とま、言い訳がてらの経過報告というわけで、日本テレビドラマ「時をかける少女」の感想などつらつら。
まずは主題歌としての"LOVE TRIP"だけど、これが専用にあつらえたかのごとくにジャストフィットしてた。この曲はこれまでの選挙曲とは明らかに違って、指原さんへの当て書きではない。最終回ではオープニングに生出演披露ということで、秋元氏がどこまで本ドラマにコミットしていたのかは知らないけど、劇中歌としても頻回使われてて、流石というか、ドラマに対するみごとな当て書きになってた。
次にドラマそのものの感想だけど、これが玉石混淆というか、たぶんどんな立ち位置、視点を採用するかで、評価が大きく変わってしまうんじゃないかと思う。
まず何よりも驚かされたのが、これは間違いないと思うけど、本作のよって立つ原作が、筒井康隆氏の小説と言うよりは、大林監督・原田知世版の映画、というよりも、さらにはむしろアニメ版の「時をかける少女」の方であることかと。主人公の設定を始め、登場人物の相関関係や、エピソードの構築など、物語の要素の多くをアニメ版から持ってきてると見て良いと思う。
主演の黒鳥結菜さんが、あたかもアニメ版の紺野真琴を実写化したかのようなたたずまいで、アニメ板同様に素晴らしく魅力的。これを肯定的に受け取るなら、本作はアニメ版の実写化と見なすことも可能なようで、そういう意味では珍しい成功例になってるとも言えると思う。5回という話数も良かったのか、演出も丁寧かつメリハリが効いてて、さくさく進む感じ。
ただし物語の細部に立ち入ると、そうは問屋が卸さないわけで、時間もののSF作品として見た場合、あらゆるパラドックスが放置されていて、はっきり言って破綻してる。一例、タイムリープ後の時間改変を多世界解釈として読み解くとしても、毎回矛盾がまったく解消されない。
そんなパラドックスを無視して、時間改変という一点に絞れば、物語の構成はむしろ映画「バタフライエフェクト」あるいは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」とかに近似してるとも言えると思うけど、このあたりはアニメ版から引き継いだ影響なのかもしれない。
あとは、全体を通して感じられたノスタルジーというか、遠い過去を振り返るようなたたずまい。フィルムカメラ一眼レフ、「ビューティフルドリーマー」な学園祭、カラオケでの選曲、様々なオマージュ、もはやどこにもない高校生活、どこにもない青春、どこにもない初恋・・・。このあたりは大林監督版の初代映画でもそうだったと言えばそうなんだけど、一例ドラマ「Q10」とも似てると言えば似てる。やはり同様にして高齢者ターゲットなんだろうか。
「Q10」の感想
http://blog.goo.ne.jp/ichthyophagi/e/4e7f9b1578d79732ece97b17a5494672
まずは主題歌としての"LOVE TRIP"だけど、これが専用にあつらえたかのごとくにジャストフィットしてた。この曲はこれまでの選挙曲とは明らかに違って、指原さんへの当て書きではない。最終回ではオープニングに生出演披露ということで、秋元氏がどこまで本ドラマにコミットしていたのかは知らないけど、劇中歌としても頻回使われてて、流石というか、ドラマに対するみごとな当て書きになってた。
次にドラマそのものの感想だけど、これが玉石混淆というか、たぶんどんな立ち位置、視点を採用するかで、評価が大きく変わってしまうんじゃないかと思う。
まず何よりも驚かされたのが、これは間違いないと思うけど、本作のよって立つ原作が、筒井康隆氏の小説と言うよりは、大林監督・原田知世版の映画、というよりも、さらにはむしろアニメ版の「時をかける少女」の方であることかと。主人公の設定を始め、登場人物の相関関係や、エピソードの構築など、物語の要素の多くをアニメ版から持ってきてると見て良いと思う。
主演の黒鳥結菜さんが、あたかもアニメ版の紺野真琴を実写化したかのようなたたずまいで、アニメ板同様に素晴らしく魅力的。これを肯定的に受け取るなら、本作はアニメ版の実写化と見なすことも可能なようで、そういう意味では珍しい成功例になってるとも言えると思う。5回という話数も良かったのか、演出も丁寧かつメリハリが効いてて、さくさく進む感じ。
ただし物語の細部に立ち入ると、そうは問屋が卸さないわけで、時間もののSF作品として見た場合、あらゆるパラドックスが放置されていて、はっきり言って破綻してる。一例、タイムリープ後の時間改変を多世界解釈として読み解くとしても、毎回矛盾がまったく解消されない。
そんなパラドックスを無視して、時間改変という一点に絞れば、物語の構成はむしろ映画「バタフライエフェクト」あるいは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」とかに近似してるとも言えると思うけど、このあたりはアニメ版から引き継いだ影響なのかもしれない。
あとは、全体を通して感じられたノスタルジーというか、遠い過去を振り返るようなたたずまい。フィルムカメラ一眼レフ、「ビューティフルドリーマー」な学園祭、カラオケでの選曲、様々なオマージュ、もはやどこにもない高校生活、どこにもない青春、どこにもない初恋・・・。このあたりは大林監督版の初代映画でもそうだったと言えばそうなんだけど、一例ドラマ「Q10」とも似てると言えば似てる。やはり同様にして高齢者ターゲットなんだろうか。
「Q10」の感想
http://blog.goo.ne.jp/ichthyophagi/e/4e7f9b1578d79732ece97b17a5494672