まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

桜蕾染め

2010年02月15日 | ワークショップ
2月13日
ギャラリーらふとさんのワークショップ
『鎮守の杜の色暦-桜蕾』へ行きました。

朝、カーテンをあけると、屋根にうっすらと雪が積もっていて。
雪からみぞれの寒い一日でした。



染織家の森文香さんのお話の後、作業にかかります。

桜の枝。
花ひらく前に、込み入ったトコロを剪定するのだそうです。
小さな蕾をつけた細い枝を刻んで煮出します。
蕾を見つめてしまうと、手が一瞬止まります。が、
お願いします・・・のような気持ちで作業を続けました。

ココから二班に分かれて。 私は前半の染めの作業から。
二日前から準備していただいていた染液を加え
水に浸した麻布の袋を一斉に投入。
(染液の中の赤い色から繊維に吸い取られていくそうで、投入時のほんの少しの時間の差が
色合いを変えてしまうそうです。ですからここでの“一斉に”というのは非常に重要なのですね。)

鍋を火にかけながら、20分ほど液の中をかき混ぜ続けます。
その後、媒染液につけて。そして再び染液へ。
もう一つの班の方と交代です。

この日のもう一つの課題は『色寄せ帖』をつくること。
美しい、植物がもっている多様な色彩。
思い思いに選んでいきます。


用意された白い『色寄せ帖』に載せられた森さんの言葉が、
目にした瞬間から、ずっと頭の周りをまわっている~そんな感覚が続いています。

・・・色寄せ
いろいろな絵や文章にふれるたびに、
こうして選ばれた色や言葉は、なんて幸せなんだろう、と、思います。・・・


・・・なんて幸せなんだろう、
身の回りのモノゴトをこんな風に想ったこと、なかったと思います。


『色寄せ帖』はたくさんの糸の中から4色選んで、並べて。
その題名をも考えてみる、のですが、
最初のコトバにイッパイイッパイになってしまって(苦笑)
・・・今の想いを、他の誰かやいつかの自分に伝えられる、とても幸せな一頁。
という所まで頭が全く付いていかず、まいりました。

発表の時間。
見事なほど、それぞれ異なる色どりで、楽しかったです。
そして、タイトルにも
皆さん、ちゃんと心に残った風景とか、物語があるのです。

私は、梅の色に惹かれて
あとはそれに合わせようとした選び方で。
苦し紛れに亡くなった祖母の名前をつけてしまいました・大汗



四つの色は森さんが染められた糸。
上からログウッド、梅、落花生、キハダ。

この日が命日だった祖母の名前は「静枝」
ーしずかな木々のこずえーを想うこの名前が好きです。

思えば、この日、冷たいみぞれの中の梅の姿もまた静か、でした。(苦笑)

そして、さらなるお楽しみ♪
らふと茶菓部:ホンマさんのお菓子
『桜浮島』一足早い春の香りを楽しませていただきました!
美味しい~です。



トップの写真。
大豆を一粒ずつ使い“豆絞り”した桜蕾染め。
右下の端に縫いとめられているのは
スタッフのウサミさんがハンドステッチで印した“ギャラリーらふと”のカタチ。
すばらしいです!

右隅手前の小さなハギレは各々が名前を書いて袋に止めつけていた小布。
たぶん、木綿でしょうか。淡いピンク色に染っています。
しかし、麻布の袋は想像以上に濃い桜色に染まりました。
しっかり下処理していただいたおかげ、なのですね。

ありがとうございました。