まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

かなしい報せ

2006年11月27日 | Weblog
ブログという世界に足を踏み入れて1年と数ヶ月が経ちました。
この不思議な世界では今まで想像も出来なかった様々な出会い…
それは心を綴った文章や、その人が大切な時間を共にした本であったり、
静かな時間の中で生み出される手作りの暖かなモノであったり…がありました。
本当に、私はこの1年余りの生活の中でどれだけこの出会いに感動し、勇気を頂いた事か。

そうして出会った方々のお一人に、ゆったりとした川と風にそよぐ木々の美しい町に住む女性がいました。
確か、私のルピナスという文章にTBを頂いた事がきっかけだったと思います。
彼女とご主人が7年の歳月をかけて育てた「秘密の庭」には、それは活き活きとした見事なルピナスが咲き誇っていました。
生命力に満ちたその「秘密の庭」に圧倒された事を覚えています。
文学や音楽、そして「ちくちく」---手作りの事も好きでいらした彼女の文章は
読んでいて心地よく、憧れと共感をもって楽しませて頂いていました。

しかし、日々の和やかな出来事だけでなく
彼女は重大な病と闘っておられました。冷静な眼差しと強い心をもって。

入院されてからの文章は以前より短く、病状を記される事が多くなられましたが
それでも、どこか読む側の者に向けられた優しいお気持ちを感じました。
とても辛い時間を過ごされていらしたはずなのに。
私は、何もわかっていませんでした。
数日のうちにはまた明るいニュースがアップされる事しか頭に無く。

そうして訪ねた昨日、彼女が亡くなられたことを知りました。

本当はその方の事を何も知らないのです。
でも、とても辛い。

生きる事を、勇気をもって真直ぐにのぞんでいらしたのです。


今となっては
ルピナスの花が出会いのきっかけになった事も私にとっては大きな意味を、
忘れがたい意味を感じます。

あの「秘密の庭」は
今は冷たい風を受けて葉を落とし、静かな冬を迎える準備を整えているのかも知れません。
しかし、一面の白い雪がとけ出して光溢れる季節がめぐってきた時
又今年と同じ様に、初々しい若芽が芽吹き、色とりどりの花が咲くのでしょう。
そして幾年月が過ぎても、あの方の育んだ花々が咲き続いてくれますように。

心からご冥福をお祈りします。
ありがとうございました。