一年の半分が過ぎたが、昆虫の撮影はあと2~3か月くらいで終わってしまう。総まとめは、恒例の年末に行うとして、ここで自身に喝を入れておこうと思う。
今期、昆虫撮影での大遠征は4回行ってきた。今年10月に一回目の車検に出す愛車の総走行距離は80,000kmを超えた。この大遠征の中には、それに費やす体力、時間、費用に見合うだけの成果がなかったものがある。今年だけではなく、毎年、心折れる大遠征が必ずある。現地ごとに知人はいないから、行ってみなければ分からないし、行けなければ観察することも撮ることもできない。綿密な計画を立て、休日と天候、他の予定との調整をして決行するが、得られるのは「未発生」という知識だけ。片道450kmや600kmを走っても、一回もシャッターを押さずに帰るのは辛い。
こうした挫折経験が続くと、マイナス思考になってしまう。目標とする被写体が近くに生息地していれば、いつでも行けるが、数100kmも遠くに行くとなるとダメな理由を探して止めようと考える時もある。
何となく 中途半端な気持ちを引きずったまま出かけると、やはり良い結果が得られない。9日は、ネアカヨシヤンマの産卵の様子を撮影して気持ちは晴れたが、前日は、
会津若松までゼフィルスの撮影に行っている。しかし、「時、すでに遅し。」ハヤシミドリシジミのメスの翅裏とボロのウラミスジシジミの翅裏だけを撮って終了している。オスの開翅写真が目的であったから、「タイミングが遅かった」という知見だけの大遠征であった。
昆虫との出会いに感謝したり、観察の重要性も忘れてはいない。ただし、毎年同じような写真を繰り返し撮っていては、いつまでも「こんな種に出会いました」的な日記写真で終始してしまう。昨今は、撮影難易度の高い種やシーンばかりを目標にしているため、それにとらわれるばかりに「初心」を忘れていることもあるが、どんな場合でも、観察をし「特徴が分かる図鑑写真、生態写真を極上の美しさで」撮り、紹介したいのである。いわゆる証拠程度の写真やスナップ的な写真は掲載したくない。
全体的に見れば、大きな成果を挙げて帰ることのほうが多い。心折れる大遠征は、次への大切な知見を得ることができたものとして理解し、自身の理念を貫くために、今後も懲りずに出掛けて行こうと思う。
この週末(3連休)は、ヒメボタルの観察と撮影で岩手県二戸市へ。その後は、群馬、栃木、山梨、静岡、長野の小遠征と兵庫、高知、和歌山の大遠征を計画している。狙う被写体は、「今年の撮影目標」を参照いただきたい。以下の写真は、ここ数週間の間に撮影した未掲載のチョウとトンボである。
お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、すべて1024*683 Pixelsで掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。
ベニシジミ(夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/1250秒 ISO 200(2017.6.24)
ハヤシミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 -2/3EV(2017.7.08)
ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 -2/3EV(2017.7.08)
セスジイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/800秒 ISO 200(2017.6.24)
モノサシトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000 -2/3EV(2017.7.08)
クロスジギンヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 3200(2017.7.02)
コサナエ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2100 -2/3EV(2017.7.08)
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます