ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

カラスアゲハ(春型と夏型)

2018-09-10 21:42:52 | チョウ/アゲハチョウ科

 カラスアゲハ Papilio dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864 は、アゲハチョウ科(Family Papilionidae)アゲハチョウ属(Genus Papilio)のチョウで、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。食草は、ミカン科のコクサギ、キハダ、サンショウ、カラスザンショウ、カラタチ等であるため、山地の渓谷で主として見られる。
 チョウ類では、1年に一回しか羽化せずに一か月も経たないうちに産卵して死んでしまう種(ギフチョウやミドリシジミ等)や夏に羽化してそのまま冬を越して、翌年の初夏まで生きる長寿の種(ヤマキチョウやキベリタテハ等)がいるが、一年のうちに何回も羽化する種もいる。こうした種は「季節型」と言って、羽化した時期によって「春型」「夏型」「秋型」に分けられ、それぞれ翅の色彩や形状が異なっていることが多い。本種の場合は、年に2回羽化し「春型」「夏型」が存在するので、ここでその違いを紹介したい。
 カラスアゲハは、メスよりもオスの方が色彩が豊かで、特に春型のオスは小型で色彩が美しい。写真の春型のオスは、表後翅に赤斑が発達しているが、これは個体や地域によっても差があるので、一概に春型の特徴とは言えない。
 二週連続で出かけていないので、過去に撮影し、それぞれ記録として掲載していたものをまとめ直した記事ではあるが、こうした作業では新たな発見もあり、更には次の課題抽出にもなる。カラスアゲハの季節型については、今後、より多くの個体や様々な地域においても検証していきたい。また、他の昆虫(自然風景)でもそうであるが、美しい姿を、一番美しい時に、一番美しく見えるように撮影することを心掛けたい。

関連記事

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画も 1920×1080ピクセルのフルハイビジョンで投稿しています。設定の画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

カラスアゲハ(オスの春型)の写真
カラスアゲハ(オスの春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 1000(撮影地:東京都あきる野市 2011.5.8)
カラスアゲハ(オスの夏型)の写真
カラスアゲハ(オスの夏型)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400(撮影地:東京都あきる野市 2017.8.20)
カラスアゲハ(メスの春型)の写真
カラスアゲハ(メスの春型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000(撮影地:東京都あきる野市 2011.5.21)
カラスアゲハ(メスの夏型)の写真
カラスアゲハ(メスの夏型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/320秒 ISO 640 -1/3V(撮影地:東京都あきる野市 2012.8.11)
カラスアゲハの集団吸水
(動画の再生ボタンをクリックした後、設定の画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kero-777様へ (古河)
2020-08-11 20:49:31
こちらこそ、ご覧頂きコメントまで頂戴しありがとうございます。
今年は、コロナで思うように行動できませんが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (kero-777)
2020-08-11 13:32:59
いいね 応援 いただき有難うございます。
たくさんの綺麗な蝶々の写真をとられているのですね。  私は自然が大好きです。
返信する
コメントありがとうございます。 (ホタル)
2019-06-12 21:42:24
中島邦雄様、拙いブログをご覧頂き、またコメントまで頂戴しましてありがとうございます。
まだまだ本来の自然が残っている場所があります。このような風景、光景がいつまでも残るよう、微力ではありますが努力したいと存じます。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
返信する
Memory 青春の日々 (中島邦雄)
2019-06-12 06:11:10
郷里での少年の日々6月夜の蛍セゾンを姫蛍のフラッシュバックの様に想い出す。山裾の堤から流れ出る冷水清水は小さな小川になって流れる。小川には蜷や田螺や沢蟹や川エビや泥鰌や鮠や鮒etc多種類の蜻蛉や蝶や色んな水生昆虫や植物が繁殖して長閑な自然環境を創る醸し出している。本来の自然の姿だ。
返信する

コメントを投稿