幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 ありがとうを言う人

2013-12-09 00:30:34 | Weblog

 
 
  気管支にタンがからんで咳が出る
 
  眠剤で少し頭が朦朧としている
 
  目玉は相変わらず充血している
 
  腹の脂肪は増えている
 
  
  イクラの卵が繋がって浮遊している
 
  何本もの虹が見える
 
  ぼくはハンガーを見なかった
 
  ぼくが先の?型に曲がったハンガーだった
 
 
  だいたい個性のことはよく分かった
 
  あとはエネルギーの問題だ
 
  アラビアの魔法のランプに油を入れて火を灯した
 
  
  脳と腹が二つの大きな球体で
 
  重要なコンデンサーなのだが
 
  配線がショートして熱くなっている
 
  スイッチを入れる最新式じゃなくて
 
  ヒューズをいちいち取り替える旧式だから
 
  地下室に降りて行かなければならない
 
 
  ありがとうを誰に言えばいい?
 
  苦しんでいる人にだ
 
  ぼくのために苦しんでいる人がいる
 
  その人にありがとうを言おう
 
 
  ぼくは誰かを助けているか
 
  幾人かは助けている
 
  でもそれだけだ
 
 
  清く正しい生活をしていてもダメだ
 
  メチャメチャな生活をしていてもOKなこともある
 
 
  要はハートと実行力である
 
 
  今度また西荻の焼きもつ屋に行ってハツを食べよう
 
 
  アルコールは禁止されている
 
 
  だったらアルコールじゃない酒を飲めばいい
 
 
  おやすみなさい