幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 私の身体が辿り着く運命の場所

2013-09-15 01:54:57 | Weblog

 
 
 私の身体と世界は裏返しになって
 
 歩いても歩いてもまた元に戻って来る
 
 大きな球体の上
 
 空を見上げれば
 
 私のハートは強く鼓動し
 
 この身体に乗っている時間は
 
 もうすぐ終わるのだと告げる夜空
 
 星座は三角形に並び
 
 あなたの故郷はどこか
 
 あなたはどこから来たのか、と尋ねるように
 
 輝き、瞬いている
 
 私の故郷は裏返しになって
 
 忘却の果てで
 
 私が乗り込む汽車を待っている
 
 でもその汽車がどこへ行くのかは
 
 私にはわからないと答える
 
 脳の中の記憶のどこを探しても
 
 漠然とした郷愁こそ覚えはすれ
 
 私はどこから来たのか
 
 また、どこへ行こうとしているのか
 
 明快な答えなど見つけられぬまま
 
 私の身体は老い、やがて朽ち果てるのだろう
 
 脳を形作る神経細胞が
 
 ひとつひとつ死んでいく音と
 
 ボロボロになった記憶の断片が作る
 
 ちょっと不気味で支離滅裂なストーリーを
 
 ただ虚しく鑑賞していることしかできないまま
 
 私は、運命という言葉の意味を自問しつつ
 
 やがてたどり着き朽ち果てる
 
 故郷と呼べる場所を
 
 探す旅に
 
 また出かけていく
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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