私の身体と世界は裏返しになって
歩いても歩いてもまた元に戻って来る
大きな球体の上
空を見上げれば
私のハートは強く鼓動し
この身体に乗っている時間は
もうすぐ終わるのだと告げる夜空
星座は三角形に並び
あなたの故郷はどこか
あなたはどこから来たのか、と尋ねるように
輝き、瞬いている
私の故郷は裏返しになって
忘却の果てで
私が乗り込む汽車を待っている
でもその汽車がどこへ行くのかは
私にはわからないと答える
脳の中の記憶のどこを探しても
漠然とした郷愁こそ覚えはすれ
私はどこから来たのか
また、どこへ行こうとしているのか
明快な答えなど見つけられぬまま
私の身体は老い、やがて朽ち果てるのだろう
脳を形作る神経細胞が
ひとつひとつ死んでいく音と
ボロボロになった記憶の断片が作る
ちょっと不気味で支離滅裂なストーリーを
ただ虚しく鑑賞していることしかできないまま
私は、運命という言葉の意味を自問しつつ
やがてたどり着き朽ち果てる
故郷と呼べる場所を
探す旅に
また出かけていく
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