幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

大切なのは破壊するということ

2015-09-03 20:24:36 | Weblog

体育館の倉庫に剣道の防具が置いてある

誰もいなくなった夕方

誰のものかわからない防具をつけてみる

面を被り、胴をつけ、小手をはめる

誰のものかわからない竹刀を一本持って

体育館の倉庫から出て

誰もいなくなった廊下を歩く

竹刀で教室の窓ガラスを割って歩く

メチャメチャに粉々になったガラスが飛び散る

大切なのは破壊するということ

あまりにも強く叩き過ぎて

窓の桟も折れることがある

それでも大切なのは破壊するということ