喜多院法興寺

住職のひとりごと

「あかね色の雲・最澄と泰範」松田栄範著

2012-01-23 07:09:38 | Weblog
いつもは新聞ネタでブログを掲載しているが、今回は是非ともお知らせしたい事が出来たのでここに書きます。私は天台宗寺院の住職であります。ブログを始めて4年になります。きっかけはホームページが出来たのを期にブログを始めました。毎日毎日の掲載に苦労しましたが、新聞記事をベースに、コメントをつけ、花の写真を付けた、あまり代わり映えのしないものでありました。
天台宗には有名な作家に今東光師、瀬戸内寂聴師がおられます。この方たちは小説家から僧侶になられた方たちであります。
この度、住職仲間が小説を書き上げ、本になりました。私は教区の新聞の編集委員長をしていることから、彼から広告を載せたいので、スペースがあるか問い合わせがあり、広告を了承しました。

広告の内容は「あかね色の雲・最澄と泰範」松田栄範著
日本の原風景{絶賛発売中}朝日クリエ(〒107-0052)東京都港区赤坂6-6-4四栄ビル4階 電話03-3588-7888 http://www.asahi-create.jp 四六判・308ページ税込み 1,600円

最澄から空海へ、仏教界の両雄に仕えた泰範に裏切りはあったか?人間・泰範の苦悩を詩情豊かに浮き彫りにする壮大な叙情詩!
毎年、お年始にきますが、今年はお年始の品に本を持ってきました。その時も自分で書いた事について一言も触れませんでした。なので、友人のために、ずいぶんと肩入れしているなと思っておりました。彼の寺の檀家である友人と話す機会があり、本のことを話しましたところ、檀家の人には本を配布したこと、著者は住職本人であることが初めてわかりました。私であったら皆にふれ回るのにと思いました。本の中の著者略歴にも松田栄範 昭和29年栃木県生まれ。大正大学卒業。とだけ記されています。

私はまだ全部読み終えてはおりませんが、非常に読みやすい文体で、当時の情景がにじみ出たスケールの大きな作品であると感じました。また、天台宗では泰範は伝教大師を裏切った人として、広く知られる人を敢えて主人公にした、作品を書いたことに感服する次第です。彼の今までの波乱に満ちた人生を送った人でなければ、書けない人情の機微が描かれたすばらしい作品であると思います。

最後に本の帯びふに「私は、いきなり泰範を書こうとおもい、ワープロの前に座りました。
すると、映像が目の前に浮かんできましたので、それを文字に換えたに過ぎません。
不思議なことでした。自分がいるような錯覚を覚えました。{作家の言葉から}

乗客より先に逃げた船長の話は信用できない

2012-01-21 06:23:34 | Weblog
1月21日付 編集手帳 読売新聞
 {「胃」を漢和辞典で引くと、古訓(古い読み方)が載っていた。〈クソフクロ〉。言わんとするところは察しがつくが、心配ごとや緊張感でシクシク痛む繊細な器官に、やや気の毒な呼び名ではある。
◆胃を酷使する仕事は数あるなかで、「船長」はおそらく五本の指に入るだろう。〈胃潰瘍にならないと一人前じゃない、といわれるくらいで…〉。四半世紀にわたって外洋客船の船長を務めた 弓場 ( ゆば ) 通義 ( みちよし ) さんの言葉である(小学館『千年語録』より)
◆〈船長には「最後退船の責務」がありましてね。万が一の場合、まずお客さまを逃がし、次に乗組員を逃がし、船長は一番最後に船を去る〉
◆イタリア沖で座礁した大型クルーズ船の船長のような人もいるから、世間は広いものである。乗客を助ける前に自分が逃げた。釈明がいい。「座礁した船の上で転び、偶然、救命ボートの中に落ちた」。古訓の似合う丈夫な胃袋をお持ちに違いない。
◆行き詰まったプロジェクト 然 ( しか ) り、傾きかけた会社また然り…思えば、「最後退船の責務」は陸の世界にもある。肩書に「長」の字を持つ人には、他山ならぬ“他海の石”だろう。}

 イタリアのジリオ島沖で起きた豪華客船「コスタ・コンコルディア」の座礁事故で、フランチェスコ・スケッティーノ船長の主張に矛盾が多く、事故後の乗客避難誘導指示をせずに、乗客より先に避難した事で、起訴された。船長は、浸水で傾いた船から落ちたと説明、「救助義務放棄」を否定している。船員にふる里を見させるために、島の付近を航行した結果、座標事故を起こした。船長の人為的ミスである。 

放射線検査 石や砂利、基準設けず 

2012-01-19 06:36:13 | Weblog
時事通信
 {福島県二本松市の新築マンションに放射性物質で汚染されたとみられる砕石が使われていた問題で、この砕石が流通した可能性のある昨年3月から6月末に県が発注した土木工事全てについて、県が砕石使用の調査を始めたことが18日、分かった。対象には県内の全仮設住宅も含まれる。使用が確認された場合、放射線量を詳細に調べ、施設の取り壊しも含めて対応を検討する。

 県道や一部国道、県の管理する河川など、震災後の復旧工事が主な調査対象となる。仮設住宅は建設時期に関係なく179カ所全てを調べる。

 県は各出先機関に対し、保管している工事関係の資料を確認するよう17日に要請。仮設住宅については施工業者に報告を求めている。いずれも週内にある程度結果が取りまとまる見込みで、汚染砕石が使われ、線量も高い場合、仮設住宅や家屋に近い施設は「取り壊しも選択肢の一つ」(技術管理課)になるとしている。} 

 福島第1原発事故後、避難区域内の砕石場から出荷された砕石は、行政の何のチェックも通らずに流通していた。石、砂利については放射性物質の基準自体が存在せず、「予想外の出来事」経済産業省の担当者。福島県の担当者も「いま考えれば何らかの措置をしていればよかった」と話すが、対応は完全に後手に回った。

 経産省によると、セメントには昨年6月、出荷に際して、放射性物質の管理基準(1キログラム当たり100ベクレル以下)が設けられた。ただ、セメントに混入する石や砂利には基準はない。石を出荷した双葉砕石工業の猪狩満社長は、「3月、4月は放射能のことなんてわからず、とにかく地元の復旧に役に立ちたいと思ってやった」と話した。
手を打っておけば、この様な事はおきなかった。想定外と言う言葉は聞き飽きた。経済産業省の担当者、福島県の担当者ももっと真剣に対処して欲しかった。





阪神大震災から17年まだ心の傷癒えず

2012-01-17 06:28:15 | Weblog
1月17日付 編集手帳 読売新聞
 {タマネギに涙はつきものである。〈 玉葱 ( たまねぎ ) の皮 剥 ( は ) ぐ時に 易々 ( やすやす ) と人にも見せて涙ながせる〉( 富小路禎 ( とみのこうじよし ) 子 ( こ ) )。別に理由があっての涙を、タマネギにこと寄せて流した経験は歌人に限るまい。
◆17年前の1月16日、兵庫県芦屋市の 米津漢之 ( よねづくにゆき ) 君(当時7歳)と 深理 ( みり ) ちゃん(同5歳)は生まれて初めて、翌日の夕食用に二人でカレーを作った。兄と妹はこの記念すべき合作のカレーを口にすることができなかった。二人は翌朝の地震で亡くなる…
◆「私には会ったことのない兄と姉がいます」。2年前、震災の追悼式典で小学6年生・12歳の米津 英 ( はんな ) さんが挨拶した。「わが家では毎月17日にカレーを食べます」。今夜もそうだろう。
◆阪神大震災からきょうで17年になる。歳月は流れても、親御さんの耳には幼い二人がはしゃぎながら料理をする声がいまも聞こえるであろうことを思うとき、タマネギをむくお母さんの目頭は想像するまでもあるまい。
◆カレーか、ハンバーグか、亡きわが子の好物で献立を考えているお母さんは多いことだろう。1月17日のタマネギは、3月11日のタマネギは、普段にまして目に染みるはずである。}

 17日は1995年1月の阪神大震災から17年が経過した。その時の犠牲者は死者6434人、負傷者4万3792人を出した。県などが主催する追悼式典は、神戸市中央区の人と防災未来センター慰霊のモニュメント前で行われる。今回は東日本被災地に復興のエールをおくるイベント「東日本大震災絆の発信」も開かれる。17年も経過した阪神淡路大震災の、心の傷は今もなかなかぬぐえない。しかし希望の火が着実にともつている。今日の編集後記を見て、涙が止まらなかった。


   




大学入試センター試験が開始れる

2012-01-16 06:48:45 | Weblog
1月15日付 編集手帳 読売新聞
 {〈評者は昔、受験に失敗して一年浪人し、翌年合格後に知ったのは、母が塩断ちして神仏に祈願した事だった。母の有り難さ怖ろしさを痛感したものだ〉
◆以前、読売歌壇の選者だった清水房雄さんが、母親への思慕を 詠 ( うた ) った投歌に対して、選評代わりにそんな自身の体験を記していた。似た思い出を持つ人はきっと多いだろう。本人が鉛筆を握りしめて答案用紙に向かっている時、親もまた、祈りながら過ごしている。受験生諸君はそれをお忘れなく。
◆きのうときょう、大学入試センター試験が行われている。元受験生たちの中には、何十年たってもこの時期、問題をほとんど理解できずに時間切れ…といった夢にうなされる人が、これまた多いのではないか。皆、今の君たちと同様に不安だったのだよ、受験生諸君◆被災地では、仮設住宅で暮らす受験生が共に追い込み勉強をし、寒風の中を会場に向かった。大変だろう。でも逆境に打ち 克 ( か ) つ気持ちがきっと良い結果を呼ぶ。
◆入試シーズンは始まったばかりだが、まず第1ラウンドを乗り切った皆さんにこの句を。〈ともかくも 寝 ( い ) ねよ受験の終りたる 千原叡子〉}

 受験シーズンの到来で、受験者はもとより、ご家族の受験の心配で夜も寝られない日々が続いていると、思う。大学入試センター試験が来ると、悪夢にうなされるのは、受験を経験人達は皆が不安であったはずだ。希望する有名学校は今も狭き門である。湯島天神やパワースポットに参拝祈願するのは今も昔も変わらない。しあし昔と違い人口が減少傾向にあり、大学側も人数割れしないように、設備の充実に躍起になり、卒業生に寄付援助の要請が続いている。